2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of self-excited chatter with mode coupling using real-time simulation of cutting process
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17H03157
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松原 厚 京都大学, 工学研究科, 教授 (80243054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 大輔 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80576504)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 切削加工 / びびり振動 / 自励振動 / 切削力 / 実時間シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
切削加工において,自励びびりにおけるモードカップリング機構を調査するための実時間シミュレーションシステムを構築する.調査の対象とするのは,薄肉ワーク振動系と回転主軸振動系である.具体的に実施した研究の成果は以下の通りである. 薄肉ワーク振動系の動特性を機械上で測定し,切削加工の実時間シミュレーションを行うために,接触型負荷装置と薄肉ワーク系を製作した.製作した負荷装置の帯域は2kHzであり,負荷装置にエンドミル加工の切削力を模擬した負荷指令を与えて,断続切削をシミュレートできることを検証した.振動振幅が大きくなると振動子がワークが離れる現象が起こることがわかった. 回転主軸振動系の解析を目的として,電磁力を用いた2軸非接触負荷装置を設計製作した.負荷装置は8極のコイルを持ち,主軸に装着した疑似工具を2軸2方向に加振できる.負荷系のコイル電圧-電流-負荷応答について測定した結果,帯域は2kHzであり,切削加工を実時間でシミュレートできることがわかった.実験装置評価のための,テスト主軸を準備し,実際に周波数掃引法を用いて動的な負荷実験を行った.負荷方向(ダイレクト方向)ならびに負荷と直角方向(クロス方向)のコンプライアンス(負荷ー変位の応答)を測定した結果,クロス方向コンプライアンスは主軸回転に伴って共振ピークが顕著になることがわかった.共振周波数付近で切削を模擬した負荷を発生させ,負荷による回転主軸の振動運動(リサージュ)を測定できることを確認した.一方,疑似工具とコイルのギャップが影響して負荷が一定に保てないことがわかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
薄肉ワーク振動系の切削加工の実時間シミュレーションでは,振動振幅が大きくなると負荷装置の振動子がワークが離れる現象が起こり対策が必要であるが,振動現象をシミュレートできることがわかった.ただし,装置負荷系の特性の影響については確認しなければならない. 回転主軸振動系の切削加工の実時間シミュレーションでは,疑似工具とコイルのギャップが影響して負荷が一定に保てないことがわかったが,主軸系の動特性は正確に測定できている.
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Strategy for Future Research Activity |
工具-ワークの変位に起因する力発生は自励振動の基礎メカニズムであり,各装置にも似たメカニズムが存在する点は,研究の発展性と関係しているので調査を行う.薄肉ワーク振動系について装置負荷系の動特性,回転主軸振動系については疑似工具とコイルのギャップの影響について調査し,実時間シミュレーションを実際の切削加工現象との比較を行う.今後は,振動の発生・成長メカニズムの説明を行っていく.
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Research Products
(3 results)