2017 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the multi-functionalization and control of micron-scale bubbles
Project/Area Number |
17H03171
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 周 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (30272371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杵淵 郁也 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30456165)
杉山 和靖 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (50466786)
田川 義之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70700011)
東 隆 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90421932)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 混相流 / マイクロバブル / ドラッグデリバリーシステム / 超音波 / ベシクル |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は,1ミクロンスケールのマイクロバブルを内包するベシクルを生成する手法について検討を行った.具体的には,性質の異なるマイクロバブルを用意し,集束超音波音場で,マイクロバブルクラスターの性質を調べ,クラスターの振る舞の違いから,クラスターを形成するマイクロバブルの特性の違いを抽出し,選別していくための手法を検討した.具体的なターゲットとし,超音波血管造影剤として製品化されているソナゾイド(Sonazoid)と,帝京大学,丸山一雄教授のところで開発されたTeikyoバブルを用いて実験を実施し,Teikyo Bubbleの方が気泡径の分布にばらつきはあるが,より小サイズのサブミクロンスケールの気泡を含有している可能性が示唆された.気泡内包ベシクルのサイズを5ミクロン程度にしていくためには,内包気泡が小さい方が好ましく,生成されたマイクロバブルの中から小サイズの気泡を選択的に抽出し,ベシクルに内包していく技術の開発の検討も開始した. また,数値計算モデルの開発に関しては,多数のマイクロバブルを含むバブルクラスターの超音波音場での振る舞いを解析するために,解析力学を用いて表面をコーティングされたマイクルバブルの運動を記述する方程式をモデル化し,ランダムに配置された気泡の体積振動と並進運動を解くための式を構築した.この際,ラグランジアンを用いる形式とハミルトニアンを用いる形式で,基礎式を記述する2つの方法が考えられるが,どちらの手法を採用するかについての検討を現在進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベシクルに内包するマイクロバブルに関しては,当初予定していた自分たちで開発したものに加え,他のプロジェクトにて共同研究を行っている帝京大学の方で,本研究の用途にも利用きるマイクロバブル(Teikyoバブル)の生成に成功した.そのため,本研究においてもこのバブルを用いた実験を追加で実施することができ,マイクロバブルの種類に依存してバブルクラスターの振る舞いが異なることに関して新たな知見を得ることができた.Teikyoバブルを用いた実験を追加したため,多少研究スケジュールにずれが生じたが,現在,次の段階である超音波音場でマイクロバブルの制御を行い,マイクロバブル内包ベシクルを制御する方法について検討を始めており,ほぼ予定通り進んでいる.なお,当初の予定では,高速度カメラによる撮影用に,可視化用レーザー照明を購入予定であったが,平成29年度に関しては,研究室現有のものより高性能なカメラを借用することができ,可視化用レーザー照明を購入する必要がなくなった.一方,平成30年度は同カメラを利用できる目処はたっておらず,購入の可能性ありと判断し予算を翌年に持ち越し再申請することとした.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定通り,マイクロバブル内包型ベシクルの超音波による捕捉と位置制御,さらにはベシクル破壊を行うことを本研究の目的として研究を進める.ただし,当初の計画に加えて,他プロジェクトでの成果も利用し,新たなマイクロバブル(Teikyo バブル)を用いた研究も計画に加え推進していく.平成29年度は,当初バブルクラスターの高速度カメラ撮影用に可視化用レーザー照明を購入予定であったが,高性能な高速度カメラを借用することができ,可視化用レーザー照明なしで済んだため,購入を控えた.しかし,今後,実験の状況次第で,可視化用レーザー照明が必要となる可能性があり,そのために平成29年度は予算を持ち越しし,平成30年度に再申請することを考えている.また,当初の予定では,計測の手段として主に高速度カメラによる撮影を考えていたが,気泡運動に関するより多くの情報を取得するために,高速度カメラ撮影に加えて,バブルクラスターから放射される音圧を計測し,クラスター内の気泡の状況を推定する方法についても検討していく予定である.この様に当初の計画になかった計測法に関しても,積極的に検討し,研究を推進していく予定である.
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Research Products
(2 results)