2018 Fiscal Year Annual Research Report
整合性を有する離散化に基づく潤滑解法の粒子混相流への展開
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17H03174
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
竹内 伸太郎 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (50372628)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 潤滑流れ / 粒子分散流れ |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は Navier-Stokes 方程式の直接離散化および速度場・圧力場の整合性の概念を潤滑支配域へ拡張するために数値計算法の提案を行った。提案した手法は外力で維持されている三次元渦群中における球形粒子の自由運動問題において検証され、独立におこなわれた数値解析結果と良い一致を示した。 さらに開発した直接離散化手法を、熱・物質輸送問題へ展開した。 熱の問題については、体積充填率で40~55%の高数密度中実固体粒子系において粒子の集団挙動が温度場から受ける影響、および粒子による熱輸送が流れ場に与える影響の解析を行った。特に粒子分散混相流中における渦の発達に関する直接数値計算とモデリングを通して、特徴的な渦構造の発現について解析を行った。とくに線形化されたモデルの時間発展の時定数がレイリー数とプラントル数からなるシンプルな式で表現できることを示した。 物質輸送問題については、非圧縮速度場・圧力場の整合性の概念を透過性のある可変形膜を含む流れ場へ拡張することを目指し、2018年度は静止した膜に限定して透過流束を考慮した非圧縮圧力方程式の一般化を行った。得られた圧力方程式を解いて得られる解および透過流束はあらかじめ準備した解析モデルと良い一致を示し、離散化の正当性を確認した。 粒子を含む流れ場において、粒子の擾乱を含む流れ場から(擾乱を含まない背景流れの予測を経由せずに)粒子表面における流体応力を算出するモデルの提案を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
潤滑解法は想定したものと大幅に異なる形になったが、物理的意味が明確になる定式化を実施することができ、当該現象に対する理解が深まっただけでなく、新規な問題設定(特に境界条件)についても解の予想の見通しをよくした。 直接離散化・整合性のとれた離散化の概念を透過壁を含む系に拡張する際にやや時間を要したが、おおむね予想どおりの時間内に実施することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
任意形状物体間において、様々な条件下で提案した潤滑解法が機能するか確認する。検証には申請者が提案した整合性のとれた直接離散化に基づく境界埋め込み法を用いる。 また、粒子混相流れに見られる特徴的な熱輸送モードの出現に対して、潤滑を考慮した解析へ発展させる。自然熱対流下における分散粒子流れの対流の反転現象が発生するパラメーター範囲についてモデルをつくり、直接数値計算を用いてシミュレーションをおこなう。 透過膜表面をもつ粒子による物質輸送問題では、運動する可変形膜と流体との相互作用解析に着手し、透過流束を考慮した非圧縮圧力方程式のさらなる一般化を行う。数値解析結果を検証する解析解の準備を平行して行う。
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Research Products
(10 results)