2018 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池モジュールの超コンパクト化に資する排熱その場回収法
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17H03185
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白鳥 祐介 九州大学, 工学研究院, 准教授 (00420597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 裕典 九州大学, 工学研究院, 助教 (70432862)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エネルギー工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)モジュールのダウンサイジングと発電効率の向上を目指し、熱の化学的吸収剤として局所的に適用することができる触媒プレートを開発し、これを放熱分布を考慮して効率良く排熱回収できるようスタックに取り付けた新コンセプトSOFCモジュールを創出することである。 2017年度の研究において、ペーパー触媒(PSC)配列を自在に調整することにより、望みの温度分布を得る手法を見出し、PSCを充填した触媒プレートを開発した。当触媒プレートには、17箇所の熱電対挿入穴を加工し、PSC内部のガス流れ方向の温度分布を計測できるようにした。2018年度は、評価対象を触媒プレートにSOFC単セルを積層させた単セルモジュールに拡張し、発電中の温度分布が均一になるようなPSC配列を採用した単セルモジュール試験を実施した。当試験用に開発したモジュール内部にはガスリーク箇所が見られたため、この問題の解決にあたりつつ、均一触媒適用時の試験結果との比較から、熱的安定性の評価を行った。これらの取り組みの結果、モジュール内部の温度分布の均一化は得られたものの、長時間の耐久性を得るには、モジュール構造の更なる改善が必要となった。一方、燃料極支持平板型SOFCを用いた電流分布・交流インピーダンス解析において、加速劣化試験として供給した乾燥メタンの場合に、水素に比べ、燃料極上流部で初期から電流低下が観測され、微細構造観察により確認された上流部における顕著な炭素析出との対応が見られた。本知見は、耐久性向上を目指した実機セル・スタック設計や劣化のリアルタイム診断に資するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度に得たPSCを適用した触媒プレート内温度分布均一化の成果を、触媒プレートにSOFC単セルを積層させた単セルモジュールに拡張し、水素供給時に電流密度が0~0.6 A cm-2の範囲で良好な電流電圧特性を得るとともに、PSC配列の適用により、模擬バイオガス直接供給による発電時のモジュール内温度分布の均一化を確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度は、開発した単セルモジュールの構造上の課題を解決してスタックに拡張し、触媒プレート内部のPSC配列、プレートの配置位置およびスタック構造のデザインを行って革新的SOFCモジュールを試作し、起動試験および定格運転試験を行う。この際、過電圧測定およびインピーダンス測定により、触媒プレートの温度分布均一化効果によるモジュール性能の向上を実証し、触媒プレートの適用による排熱吸収の高効率化により模擬バイオガス(CH4/CO2 = 1)供給時の発電効率50 %を達成する。
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Research Products
(4 results)