2019 Fiscal Year Annual Research Report
創薬評価のための血液脳関門(BBB)を有する神経組織アレイ
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17H03197
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Research Institution | Musashino University |
Principal Investigator |
根岸 みどり (加藤みどり) 武蔵野大学, 薬学部, 助教 (30300750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾上 弘晃 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (30548681)
川原 正博 武蔵野大学, 薬学部, 教授 (40224828)
森本 雄矢 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 准教授 (60739233)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロデバイス / 組織チップ / 薬剤スクリーニング / 神経科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、 膨大な種類の薬剤や毒性物質の神経細胞に対する影響を短時間で解析するために「血液脳関門(BBB)を有する神経組織アレイ」を構築する。具体的には、ガラス基板上に3次元神経組織をアレイ化し、上部に脳毛細血管細胞が培養された流路を構築することで、血液脳関門を有する神経組織の培養アレイを確立する。最終的に、アルツハイマー病モデル組織アレイの構築を行い、薬剤の灌流にともなう血管脳関門の薬剤透過性評価、多点観察システムを利用した薬剤添加時の神経細胞の組織学的・機能的な解析を行い本系の有効性を示すことを目的としている。 昨年度までに、主に分担研究者と共に神経組織アレイ用のデバイスの開発と3次元神経組織の培養、共培養の条件の検討を行ってきた。本年度はデバイス改良過程で、これまでとは異なるアプローチで神経組織を効率的にアレイ化する方法を発見することとなった。ひも状の培養3次元組織をデバイス上に配置・切断し、96 well plateに転写することで、これまでよりも簡便にアレイ化する技術であるが、本技術を神経細胞・神経幹細胞から作成されたひも状神経組織への適応が非常に有効であると確認出来た。現在、薬理アッセイでの評価を進めており、プレリミナリーな結果としては、アッセイ条件の最適度、アッセイの精度を測定する指標であるZ'-factorは非常に良好な数値が出ている。本研究内容は、国際学会および日本薬学会で発表を行い、特許の仮出願を行った。さらに今後は、本技術での特許の本出願を進め、さらに脳毛細血管細胞との共培養を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
デバイス改良過程で、ひも状神経組織を効率的にアレイ化する技術を確立した。これまでの開発技術とは組織構築の方法が異なっているが、これまで開発した共培養デバイスよりも、96 well plateに神経組織を転写出来ることから、神経組織を簡便にアレイ化することが可能となった。この技術は、当初予期していなかった成果であるが、3次元組織の薬剤スクリーニングに適しており、特許出願や国際・国内学会の発表につながる成果となった。
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Strategy for Future Research Activity |
デバイス改良過程で、ひも状神経組織を配置・切断・転写可能なデバイスを開発することで、96 well plateに効率的に神経組織をアレイ化することが可能となった。この技術を発展させて、脳毛細血管細胞との共培養を行い、薬剤の灌流にともなう血管脳関門の薬剤透過性評価、多点観察システムを利用した薬剤添加時の神経細胞の組織学的・機能的な解析を行い本系の有効性を示す。
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Research Products
(5 results)