2017 Fiscal Year Annual Research Report
市街地交差点における自然な走行を実現可能な完全自動運転システムの開発
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17H03201
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
菅沼 直樹 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (50361978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米陀 佳祐 金沢大学, 新学術創成研究機構, 助教 (80643957)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自動運転自動車 / ウィンカー認識 / 運転行動意図予測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,市街地の交差点において信頼性の高い自動運転を実現するため,自動運転自動車に搭載したセンサ情報を基に,市街地の交差点付近を走行する他車両の直進・右左折といった運転行動意図を推定する技術を開発する.また,推定した他車両の運転行動意図を考慮し,交差点を安全かつスムーズに通過可能なパスプランナを設計し,実際の市街地を自動走行することでその有効性を評価する.これにより,市街地の交差点において周辺交通に対して自然な走行を実現可能な完全自動運転システムの開発を行うことを目的とする. 研究初年度にあたる平成29年度は,①市街地交差点走行データベース構築,②画像解析による方向指示灯領域の抽出,③時系列的な運動状態からの間接的意図推定について検討を行った. このうち,課題①に関しては,公道走行が可能な自動運転自動車を用いて市街地における様々なセンサデータを取得するとともに,小型カメラを複数の乗用車に取り付けて,市街地における大量の画像データ(動画)を収集した.これらのデータは,今後のアルゴリズム解析に効果的に活用する予定である.また課題②に関しては,課題①で取得済みの画像データに対して車両領域を抽出するアルゴリズムを構築するとともに,手動でその画像データに方向指示器の点灯の有無の情報を付加し,Deep Neural Network(DNN)を学習させる多面データセット構築を行った.また,DNNを用いて画像中から方向指示器の点灯状態を概ね識別できることを確認した.最後に課題③に関しては,オンボードセンサによって認識した時系列的な周辺車両の運動状態と地図情報を併用して,周辺車両がどのルートをたどる可能性が高いのかという運転行動意図を読み取るアルゴリズムの基礎検討を行い,限定された条件下においては正しく意図を読み取ることが可能な一方,複雑な環境下においては一部課題があることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,本研究課題で雇用する予定の研究員の採用が12月ごろまでずれ込んでしまったため,研究開始当初は研究の進行状況が芳しくない状態が生じていた.しかし,研究室に所属する既存の研究員,学生等の協力により,最終的には概ね当初の研究計画通り研究が進展していると考えている.特に課題②「画像解析による方向指示灯領域の抽出」に関する検討内容および課題③「時系列的な運動状態からの間接的意図推定」に関する検討内容については,ともに平成30年度に開催される国内の学会にて講演予定となっており,成果の公表も検討している.
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Strategy for Future Research Activity |
研究初年度は当初の計画通り,概ね順調に研究が遂行していると考えている.したがって,次年度は研究室に所属する既存の研究員,学生および本研究課題で雇用中の研究員の協力のもと,当初の研究計画通り課題④「方向指示器の右左折種別認識」,課題⑤「夜間を中心とした交差点走行データベース更新」,課題⑥「交差点走行パスプランナの基礎設計」,⑦「運転行動意図推定アルゴリズム改良」等について取り組む予定としている.
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Research Products
(3 results)