2020 Fiscal Year Annual Research Report
MOCVD法による遷移金属ダイカルコゲナイドの成長技術開発とフォトニクス機能探索
Project/Area Number |
17H03241
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
佐久間 芳樹 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (60354346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池沢 道男 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (30312797)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 遷移金属ダイカルコゲナイド / 層状物質 / MOCVD / 量子閉じ込め / 励起子 |
Outline of Annual Research Achievements |
MoS2やWS2など遷移金属ダイカルコゲナイド(TMDC)の単層膜形成に関して、MoやWのオキシクロライド原料ガス(MoO2Cl2、WOCl4)を使った独自のMOCVD技術の開発を進めてきた。R2年度は、TMDCの量子ナノ構造作製に向けた先行研究を行った。まず、SiO2/Si基板上のWS2について、成長時間を15分~120分と変えることで、核密度を一定に保ったまま正三角形状の単結晶ドメインのサイズを約50nm~500nmに制御できることを確認した。室温の顕微PLスペクトルの統計的評価の結果、ドメインサイズが約50nmと最も小さいWS2の場合に、自由励起子の発光エネルギーが約6~9meVブルーシフトすることを明らかにした。単層WS2の横方向の量子閉じ込め効果と考えられる。このほか、H2Sガスに代えてH2Seを導入することで、S系と同一の成長温度・圧力下で高品質なMoSe2やWSe2など、Se系のTMDCの成膜にも成功した。この結果、MoS2, WS2, MoSe2, WSe2の4種が同一条件下で成膜できることになり、ガス切り替えにより多種のヘテロ構造を実現するための要素技術が整った。 一方、本研究ではTMDCのMOCVD成長において、アルカリ・アルミノ・シリケートと呼ばれるガラス基板の触媒効果を見出し、その有用性を明らかにしてきた。R2年度は、様々な組成を持つガラス上でのMoS2成膜の状況を調べ、ドメイン増大効果の発現メカニズムの解明を進めた。また、MOCVD法によるアルカリ・アルミノ・シリケートガラス上のMoS2成長環境に微量のO2添加を行うと、MoS2の単結晶ドメインサイズが従来の10倍以上(10~20μm)に増大する現象を見出した。詳細なメカニズムの理解にはさらなる研究が必要だが、この技術は極めて有用であり、今後のTMDCのMOCVD技術の発展に重要な役割を果たすと考えられる。さらに、金属Mo上に希薄O2を供給して形成されるMoO3被膜を昇華させ、H2Sとの反応でMoS2膜を得る新たな成膜手法を考案し、その原理実証を行うとともに特許出願を完了した。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Tunable Doping of Rhenium and Vanadium into Transition Metal Dichalcogenides for Two‐Dimensional Electronics2021
Author(s)
Shisheng Li, Jinhua Hong, Bo Gao, Yung-Chang Lin, Hong En Lim, Xueyi Lu, Jing Wu, Song Liu, Yoshitaka Tateyama, Yoshiki Sakuma, Kazuhito Tsukagoshi, Kazu Suenaga, and Takaaki Taniguchi
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Journal Title
Advanced Science
Volume: NA
Pages: 2004438-(1)~(8)
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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