2018 Fiscal Year Annual Research Report
微小流路デバイスを用いた分析における高分解能・高感度テラヘルツ分光検出法の確立
Project/Area Number |
17H03252
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北岸 恵子 大阪大学, レーザー科学研究所, 特任研究員 (20563860)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川山 巌 京都大学, エネルギー科学研究科, 准教授 (10332264)
川井 隆之 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (60738962)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | テラヘルツ / マイクロ流路 / 高感度微量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、非標識での分離分析が難しい生体分子である糖類、脂肪酸類について、新規マイクロ流路デバイスを設計、製作し、局所テラヘルツ(THz)場を利用してTHz分光検出することである。従来THz分光分析においては、波長がサブミリメートルオーダーであることから、空間分解能が同等レベルであり、検出感度も相対的に低い。本研究では、照射側局所THz場を利用して、マイクロ流路に適した高空間分解能、高感度検出を行おうとした。また、THz波源にメタマテリアル構造を採用し、一層の高感度化を図る。水系の液体のTHz検出を高感度で行うとともに、薄型チップでの電気泳動の分離を試み、使い捨てチップを用いた医療診断分野へのTHz分光の適用の可能性を示すことを目標とする。 当該年度の実績としては、マイクロ流路を有するPDMS(ポリジメチルシロキサン)を利用した使い捨てチップを用いて、高感度の糖類の検出に成功した。このチップにおいて、メタマテリアル構造を形成してさらなる高感度化を行った。また、次に石英製キャピラリーをデバイスとして用い、キャピラリー液体クロマトグラフィー、キャピラリー電気泳動による分離分析の検出方法として、局所場THzを利用するための基礎検討を行った。サイズの異なる石英製キャピラリーにおいて、低分子脂肪酸の水溶液の測定を行い、キャピラリーのディメンジョンの最適化を行うとともに、検量線を作成した。従来の電気伝導度検出器でも同様の測定を行い、両者を比較した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メタマテリアル構造を有するTHz波源の作製が、作製装置の故障、作製指導を担当する研究者の職場移動と研究内容変更により遅れた。また、電気泳動の実施について、泳動条件の最適化に当初の予想以上の時間を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
電気泳動の条件の最適化は目途が立ったので、遅れているが確実に実施できている。また、メタマテリアル構造に代わる高感度化技術について、特許申請を含めて進めており、遅れはあっても最終的な研究成果については、当初を上回るものになる結果が得られている。
|
Research Products
(9 results)