2018 Fiscal Year Annual Research Report
並列連成解析手法による高精度な温熱療法シミュレーションの実現
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17H03256
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
武居 周 宮崎大学, 工学部, 准教授 (40598348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻野 正雄 名古屋大学, 情報基盤センター, 准教授 (00380593)
河合 浩志 東洋大学, 総合情報学部, 教授 (00616443)
杉本 振一郎 八戸工業大学, 工学部, 講師 (40451794)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Perfect Matched Layer / 遠方界誤差評価 / 有限要素full-wave電磁界解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は,昨年度に引続き温熱療法シミュレーションシステムにおいて核となる高周波(Full-wave)電磁界解析手法が目標性能を達成するためのコードの改良を実施した.これまで,放射電磁界の吸収境界条件としてインピーダンス境界:Murの一次吸収境界条件を適用していたが,より吸収精度が高いことで知られるBerengerの完全吸収境界(Perfect Matched Layer: PML)の導入,およびダイポールアンテナの遠方界による誤差評価を実施した.その結果,吸収性能を示すS_11パラメータが-20dB程度と高い吸収性能を示し,遠方界の理論界との誤差は数%と非常に高精度であることがわかった。今年度の研究開発項目として予定していた人体モデルを用いた熱伝導解析との連成は,Full-wave電磁界解析の高精度化の研究開発に時間を要したため実施ができなかった。Full-wave電磁界-熱伝導の連成解析は,来年度実施することとする。 今年度の研究実績として,査読付きジャーナル論文が10本,査読付き国際会議論文4本を刊行でき,また,4件の国際会議,8件の国内学会・研究会の講演を実施した。また4件の国際会議の内2件が招待・基調講演である。 さらに,昨年度の引続き第2回目の科研費合同研究集会(基盤研究(B) 17H02829との合同研究集会, https://sites.google.com/view/lscem2019/)を宮崎にて開催した。本研究会は課題参加者同士の報告およびディスカッションにとどまらず,当該分野で著名な研究者を基調講演者としてお越しいただき,討論会を実施することで大変自由闊達な議論・意見交換ができ研究分野の将来的な発展の方向性をも含めた今後の見通しを得ることができ,大変有意義な会となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は,昨年度に引続き温熱療法シミュレーションシステムにおいて核となる高周波電磁界解析手法が目標性能を達成するためのコードの改良を実施した.これまで,放射電磁界の吸収境界条件としてインピーダンス境界:Murの一次吸収境界条件を適用していたが,より吸収精度が高いことで知られるBerengerの完全吸収境界(Perfect Matched Layer: PML)の導入,およびダイポールアンテナの遠方界による誤差評価を実施した.これにより,Full-wave電磁界解析の高精度化を実現できた。一方,Full-wave電磁界解析-熱伝導解析の連成解析を数値人体モデルを用いての実施が来年度に持ち越しとなったが,それを補う高精度化およびその実証ができたため,研究進捗自体はおおむね順調であると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
Full-wave電磁界解析-熱伝導解析の連成解析を数値人体モデルを用いてのテスト計算,および性能検証を速やかに実施する。
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Research Products
(18 results)