2018 Fiscal Year Annual Research Report
Research and developments on next-generation harmonic ultrafast ultrasound imaging for accurate analysis of cardiovascular dynamics
Project/Area Number |
17H03276
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
長谷川 英之 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (00344698)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
梅村 晋一郎 東北大学, 医工学研究科, 学術研究員 (20402787)
長岡 亮 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 特命助教 (60781648)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 超音波 / 積層振動子 / 高速イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 配列型超音波探触子の仕様検討および製作: 心臓の超高速超音波イメージングを実現するための配列型超音波探触子の仕様検討および製作を行った.心臓は体深部に位置するため,超音波減衰を考慮し超音波周波数は3 MHzとした.振動子の間隔は,超音波の波長以下に設定することが望ましいが,シミュレーション実験を行った結果,撮像範囲を制御することで波長程度の間隔でも撮像が可能であることが判明したため,そのように設定し,製作を行った.また,多チャンネル超音波送受信装置との電気的接続について確認した. (2) 超音波断層像高分解能化・高コントラスト化手法の開発: 超高速超音波イメージングでは,非集束送信ビームを用いることから,送信波の指向性が低く,また,不要エコーが発生し易いため,集束送信波を用いたイメージングに比べ方位分解能・コントラストが劣化する.本研究では,方位分解能・コントラストを向上させるための適応信号処理手法を開発した.開発した手法は,従来法に比べ方位分解能が4倍程度改善することが示された.本手法は高調波超音波への適応も可能であり,また,graphic processing unit (GPU)を用いた並列計算による高速化も実現した. (3) 高精度変位・速度推定法の開発: 心臓壁や血流の動態を計測するための2 次元変位・速度推定法の開発を行った.超高速超音波イメージングでは,毎秒数千枚の超音波断層像を処理する必要があるため,計算効率の高い手法が望まれる.本研究では,受信超音波信号は帯域を有する信号であるため,複数の周波数成分の位相を用いた手法,および,流体力学的理論から2次元の血流分布を推定する手法を開発した.また,心臓内の血流のように複雑な流れを安定に推定するための正則化手法も開発した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度当初に,(1) 配列型超音波探触子の仕様検討および製作,(2) 超音波断層像高分解能化・高コントラスト化手法の開発,(3) 高精度変位・速度推定法の開発,の3つの研究開発項目を挙げており,いずれも当初の目標を達成したことから,順調に進展していると言える.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発したシステム,手法に関する評価を行うため,平成31年度は以下の研究開発を行う. (1) 超高速高調波イメージング法の実験的評価: これまでに製作した2共振超音波振動子を用いた配列型探触子を用いて,超高速高調波イメージングを実現するとともに,空間分解能やコントラストに関する実験的評価を行う.まず,超音波画像評価用ファントムに対する超音波送受信を行い,各積層型振動子から得られる2つの受信信号の周波数特性を評価し,基本波および高調波が受信されていることを確認するとともに画像構築法の検討を行う.さらに,これまでに開発した,超音波断層像の高分解能化・高コントラスト化のための適応信号処理の効果についても検討を行う.また,微小気泡に対し,2共振振動子を用いた配列型探触子により超音波の送受信を行い,受信信号から高調波を抽出するとともに画像化を行うことで,造影イメージングへの適用可能性に関する基礎的検討も行う. (2) 血流推定法の評価およびヒト心臓のin vivo計測: これまでに開発した計測対象の変位・速度推定法を用いて血流速度の空間分布を推定する際の精度評価を行う.渦流など複雑な流速分布が存在する場合について精度評価を行うため,流体シミュレーションにより渦流が存在する場合の超音波受信信号を模擬する.流体シミュレーションにより得られる血流速度分布と,模擬した超音波受信信号に変位・速度推定法を適用して得られた血流速度分布を比較することにより精度評価を行う.これらの評価をもとにヒト心臓のin vivo計測へ適用する.超高速超音波イメージングにより,左心室に流入・流出する血液や心臓壁の動態を高時間分解能に観察できることを示すとともに,高調波イメージングの効果についても確認する.
|