2017 Fiscal Year Annual Research Report
絶対安定化ネットワーク構造の設計:IoT時代の新技術
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17H03280
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
東 俊一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (40420400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安東 弘泰 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20553770)
丸田 一郎 京都大学, 工学研究科, 講師 (20625511)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 制御工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
複数の動的システムの相互作用によって,大域的な機能を発現するシステムを「ネットワーク化制御システム」という.制御工学の分野では,センサネットワーク,スマートグリッド,ビークルの自動運転などへの関心の高まりを背景に,今世紀に入って,ネットワーク化制御システムが主要な研究対象に成長してきている.一般に,ネットワーク化制御システムは,図1に示すように,構成要素の特性に相当する「要素ダイナミクス」と,つながりに対応する「ネットワーク構造」の組だと考えられる.このとき,システムの規模が大きくなるに従って,個々の構成要素の情報を得るのが困難になることが知られている.それゆえ,「構成要素が未知だったとしても,システム全体の安定動作を100%保証するネットワーク構造(つながり)は何か?」が重要な問いとなる.本応募課題では,絶対安定化ネットワーク構造の設計理論を確立することを目的としている.
これに対し,本年度の成果は以下の通りである. (1)絶対安定化を実現できるネットワーク構造のクラスとして,カクタスグラフが知られている.本年度は,絶対安定性の意味で,カクタスグラフと等価となるネットワーク構造を,閉路次数という概念を用いて特徴付けた.(2)絶対安定性の反対の概念である絶対不安定性(絶対振動的)の証明を完成させた.(3)本研究の応用例として,ライントレース型移動ロボットネットワークを考えているが,その装置の構築を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論,実験ともに,予想通りの成果が得られているため.
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Strategy for Future Research Activity |
以下の2点について検討をする. (1)昨年度に引き続き,絶対安定化ネットワーク構造をグラフ理論の概念を用いて特徴付ける.また,構成要素を追加/削除しながら,絶対安定化ネットワーク構造を生成するアルゴリズムを開発する. (2)ライントレース型移動ロボットネットワークに限定し,衝突回避の意味で絶対安定化するネットワーク構造を明らかにする.
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