2017 Fiscal Year Annual Research Report
無線センサによる加速度・傾斜計測とデータ同化を活用した活荷重・衝撃力簡易推定
Project/Area Number |
17H03295
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長山 智則 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (80451798)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 剛 長岡技術科学大学, 工学研究科, 准教授 (20432099)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 活荷重推定 / 衝撃荷重 / 無線センサ / 加速度計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
道路橋の活荷重実態は高規格道路の一部橋梁を除いて詳細は把握されていない.伸縮装置部の不陸に起因する衝撃荷重を実橋梁で計測することもほとんどされない.これらの作用外力の把握が重要であるが,簡易で現実的な評価手法が未だ存在しない.一方で,橋梁や車両の挙動を簡易に詳細に捉えられる無線センサの開発が進み,また,そこから得られる同期・高精度の多量データを分析するデータ同化技術も進展してきた.これら技術を応用し,一般橋梁に広く適用することを想定した,「新たな原理の簡易活荷重推定手法」と,「作用力」としての把握が困難であった衝撃荷重を大型車両の応答から簡易一括推定する方法の開発を目的とした. そこで,橋梁上に設置した加速度計測無線センサのデータを解析することで通過する車輌の重量を推定するアルゴリズムを構築し,シミュレーションおよび実計測によって推定性能を確認した.次に,傾斜角推定,たわみ推定の妥当性検証を行なうため複数の実橋梁において計測を実施した.コンクリート橋梁においては傾斜角が小さく高精度な傾斜角推定,たわみ推定が困難であること,鋼製橋梁ではたわみ・傾斜角が大きく推定精度が高いことを確認した.さらに,動的作用外力を推定するために車両側の応答を計測することで路面への作用力を評価するためのアルゴリズムを構築し,大学構内での走行試験を通して性能確認を行った.車輌に設置して計測が可能な無線計測システムについては,長期の安定したデータ取得のための安定性確認試験を実施した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画でH29年度に実施予定であった4つの課題についていずれも達成できた. まず,傾斜角,角速度計測を利用した車両重量推定アルゴリズムを構築し,実橋梁で精度確認を行った.さらに,傾斜角推定,たわみ推定の妥当性検証を行なうため複数の実橋梁において計測を実施した.車輌応答を利用した衝撃作用力の推定に関しては,大学構内において走行実験を行い,開発したアルゴリズムの妥当性を確認した.車輌に設置して計測が可能な無線計測システムについては,長期の安定したデータ取得のための安定性確認試験を実施し,安定した計測が実現しつつ有る.
|
Strategy for Future Research Activity |
傾斜角を利用したたわみ推定,車両重量推定は,鋼橋のようにたわみが比較的大きな橋梁において特に有効であることが分かってきた.たわみの小さなコンクリート橋梁については加速度のみを利用するたわみ推定,重量推定の適用を検討する. 複数車輌走行時の重量推定についてシミュレーション上では,重量推定が可能であることを確認できた.実計測データを分析し,重量推定性能を確認する予定である. 車輌側の作用力推定は2トン程度のレンタカーを利用した実験には成功した.大型トラックによる走行試験,作用外力推定を引き続き行なう予定である.
|
Research Products
(6 results)