2018 Fiscal Year Annual Research Report
脳情報とパーソナリティに基づく自動運転想定下の危険場面回避に関する基礎的検討
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17H03326
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
朴 啓彰 高知工科大学, 地域連携機構, 客員教授 (60333514)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 俊哉 京都大学, 医学研究科, 教授 (30335286)
中川 善典 高知工科大学, 経済・マネジメント学群, 准教授 (90401140)
繁桝 博昭 高知工科大学, 情報学群, 准教授 (90447855)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MRI / 危険運転場面 / 高齢ドライバー / 自動運転 / ドライビングシミュレータ / 仮想現実 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳の老化現象と考えられる白質病変(LA)の自動定量化解析プログラムを利用して、LA マッピングを作成した。このデータから健常中高年ドライバー573名を対象に、2時点間の白質病変容積の変化量と交通事故との因果関係を検討した。2回目受診時にも事故歴なし群(209名)と単独の事故歴あり群(12名)、2回以上の事故歴あり群(13名)の3群間の差のでの白質病変容積変化量との検定を行ったところ、事故歴なし群と2回以上の事故歴あり群間で白質病変容積が有意に増加していた。これにより複数事故と白質病変との因果関係が示唆された。 VBM 法による部位別脳容量データ、パーソナリティのスコアデータ、交通事故・逆走歴などの危険運転行動データ、運転適性検査成績を合わせた3,000 人分のデータベースを構築中である。 ヘッドマントディスプレイを装着した仮想現実下のドライビングシミュレータを用いて、自動運転から手動運転への切り替え時における手動運転時と自動運転時の運転行動を比較検討した。咄嗟の危険運転場面における運転行動中の認知タスク(N-back 課題)により、自動運転中であっても認知負荷のかかる作業を行うとその後の手動運転への切り替え時に妨害的効果が生じ、運転のパフォーマンスが低下することが示された。高齢者は若年者と比べて課題がより単純であったにも関わらずパフォーマンスは大きく低下した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳ドックからのMRIデータと交通関連データを連結させたデータベース構築は順調に進展している。一方、ヘッドマントディスプレイを用いたドライビングシミュレータ実験において、高齢ドライバーに対してDS酔いが高頻度で生じるために、実験遂行に支障を来している。
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Strategy for Future Research Activity |
LA マッピングデータとVBM 法による部位別脳容量データから、パーソナリティのスコアデータや交通事故・逆走歴などの危険運転行動データ、さらに運転適性検査成績を合わせた3,000 人分のデータベースを用いて、危険運転をするドライバーの脳特性を同定する。また、自動運転下での最も危険であると考えられる手動から自動走行、あるいは自動から手動運転への変換時における咄嗟の危険場面を近似再現できるヘッドマントディスプレイを用いたドライビングシミュレータを通じて、上記の脳特性条件を満たす被験者の危険運転行動を検証する。
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Research Products
(4 results)