2018 Fiscal Year Annual Research Report
IoT技術の基盤となるDNAアプタマーを用いた網羅的水質センサの開発
Project/Area Number |
17H03328
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐藤 久 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (80326636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽深 昭 中央大学, 理工学部, 助教 (30735353)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
ノロウイルス(NoV)は世界中のウイルス性胃腸炎の主な原因である。本研究では、ELISAにおける抗体をDNAアプタマーに置換した新たなNoVのオンサイト分析可能な検出法、酵素結合アプタマー吸着(Enzyme-linked Aptamer Sorbent Assay:ELASA)の開発を試みた。 本年度はマウスノロウイルス(MNV)検出のためのELASAを確立することができた。検量線を作成したところ、MNV濃度と発光量に指数関数的な関係が見られた。分析条件の最適化の結果、ELISAよりも高感度に(10^3 PFU/mL=10^5個/mL)MNVを検出することができた。また、本法はBSA、MNVS7に対して選択性があることが明らかになった。基質添加前の洗浄回数を増やすことで西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)の非特異的吸着のみならず非特異的に吸着した二次アプタマーとHRPの結合体も取り除くことができることも明らかとなった。 しかしながら、環境水中のMNVの検出では競合物質の影響を受けるためにバックグラウンドが高くなることが課題として残された。従って、MNVの定量および環境水中のMNVの検出ためにはさらなる感度の向上が求められる。現在の問題点の一つとして、ウェルのブロッキングが適切でないために二次アプタマーが非特異的吸着し、ブランクの発光量が高くなっていること考えられる。今後はブロッキングバッファーやブロッキングの時間などの検討による感度向上を行う必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画ではELISAと同程度の感度を目指していたが,予想以上にアプタマーの感度が高く、ELISAよりも高感度にマウスノロウイルスを検出することができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
三年目は五価のヒ素の簡易分析技術を開発する。最終年度であるため、これまでに開発したセンサを一つのプラットフォームに構築し、マルチセンサを開発する。
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