2018 Fiscal Year Annual Research Report
Models of Resettlement of Group Relocation and Everyday Life Restructuring for Resilient Community in 30% Population Decrease
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17H03357
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森 傑 北海道大学, 工学研究院, 教授 (80333631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 尚子 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (00362757)
野村 理恵 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20599104)
池添 純子 (奥山純子) 阿南工業高等専門学校, 創造技術工学科, 講師 (50515624)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 集団移転 / コミュニティ / 合意形成 / 意思決定 / 東日本大震災 |
Outline of Annual Research Achievements |
岩手・宮城・福島3県の沿岸部は30年後、東日本大震災の影響を考慮しなくとも人口が3~4割減という状況となる。震災後5年を経た復興・創生期間と呼ばれる現在、集団移転を進めてきた各地はさらに加速する過疎化・限界化の現実に直面している。本研究は、A.東日本大震災における集団移転事業の俯瞰的・類型的整理、B. 東北被災地における高台移転の住宅復興と再定住の体系的評価、C.パイロット的事例にみる集団移転の制度的フレームの課題特性と比較分析、D.コミュニティ移転における生活圏再構築とアクションリサーチによる実地検証により、集団移転によるレジリエント・コミュニティの実現へ向けて、災害復興および防災対策を通じて人々が自立的・持続的に生活できるための集団移転の次世代計画論とその適用の具体的方策の確立を目指す。 3年間の実施計画として、A~Dの課題群に対して以下の7項目を遂行する。平成30年度は主として課題AおよびCに重点を置き、(1)(2)(4)(5)に取り組んだ。(1)東日本大震災における集団移転事業の実施経緯の整理、(2)協議会型集団移転の整備プロセスと移転現況の把握、(3)津波被災による国内集団移転の歴史的・経年的レビュー、(4)オーストラリアにおける土地交換プログラムによる集団移転の追跡調査、(5)先行・予防移転の模索にみる集団移転関連の現行制度の課題分析、(6)新天地での生活圏の再構築へ向けてのアクションリサーチ、(7)人口3割減時代の集団移転コミュニティの持続を実現する次世代計画論の実証的構築
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)東日本大震災における集団移転事業の実施経緯の整理/被災3県の市町村が公表している復興整備計画書等をもとに、防集事業と災害公営住宅事業などの他事業による住宅供給戸数の統計的把握や、住宅供給における事業組み合わせ手法および整備計画の計画変更とその要因についての分析を行った。 (2)協議会型集団移転の整備プロセスと移転現況の把握/(1)の防集事業の俯瞰的な動向把握において、例えば被害状況や戸数・規模、移転前と移転先の地理的関係、既存地区の分割や統合などの計画単位などの傾向やパターンに注目し、協議会型の集団移転として特徴的な事例について、これまでの整備事業の経緯や移転状況の詳細な情報を収集した。特に、震災直後における地区や集落での被災者の動きやニーズ、協議会設立までの経緯、協議会として合意形成や意志決定を行う上で直面した課題とその解決への工夫、被災者の避難生活と移転進捗との関係、住宅再建後の将来の見通しや不安などについて分析を行った。 (4)オーストラリアにおける土地交換プログラムによる集団移転の追跡調査/クイーンズランド州ロッキヤーバレー・グランサム地区における土地交換プログラムについて、土地交換プログラム後の被災者の定住実態やコミュニティ形成の実状について追跡調査を行った。 (5)先行・予防移転の模索にみる集団移転関連の現行制度の課題分析/南海トラフ地震の被災を想定し、事前移転を検討している自治体での検討プロセスとその内容を整理し、現行の防災集団移転促進事業の制度的な特性と先行・予防移転への適応における諸課題を検討した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度は課題BおよびDに重点を置き、過年度の成果を相互関連的に整理するとともに、特に(5)(6)(7)を中心的に取り組む。 (5)先行・予防移転の模索にみる集団移転関連の現行制度の課題分析/南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域に該当する139自治体を対象に事前復興まちづくりに関する悉皆調査を踏まえ、住宅の高台移転を具体的に検討した経緯がある自治体と該当地区について詳細な聞き取りと現地調査を実施する。例えば、静岡県沼津市内浦重須地区や徳島県美波町木岐奥地区などを対象に、現行の防災集団移転促進事業の制度的な特性と先行・予防移転への適応における諸課題を検討する。 (6)新天地での生活圏の再構築へ向けてのアクションリサーチ/宮城県気仙沼市小泉地区の集団移転は、協議会型における合意形成や意思決定、住民主導による復興まちづくりの模範的な事例として、国内外から大きく注目されてきた。研究代表者はコミュニティ・アーキテクトとして継続的に支援してきており、2016年10月時点で集団移転による住宅再建が100%完了した。本研究では先行研究の成果を踏まえ、被災者個別の生活定着や住民自治組織の再編、住民自治活動の再生へ直接的に関与しながら、不確定な中で進めざるを得ない生活圏の再構築の現実に迫り、タイムリーかつリアルなレビューに取り組む。 (7)人口3割減時代の集団移転コミュニティの持続を実現する次世代計画論の実証的構築/(1)~(6)の成果を踏まえ、人口3割減時代の再定住モデルの計画理論の検証を行い、ローカル・コミュニティの復元力を継承し再構築できる集団移転の制度およびシステムのあり方と、人々が自立的・持続的に生活するための次世代計画論とその適用の具体的方策の確立を目指す。
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Research Products
(2 results)