2019 Fiscal Year Annual Research Report
鉄基合金単結晶の巨大逆磁歪効果―発現機構解明と振動発電デバイスへの応用―
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17H03374
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
藤枝 俊 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (60551893)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 磁性・電子・情報材料 / 磁区構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
逆磁歪効果を利用した振動発電は、身の回りの振動を電気エネルギーに変換する革新的なエネルギーハーベスティング技術として期待される。本研究では、Fe-Ga合金単結晶の逆磁歪効果を利用した振動発電デバイスの優れた発電特性の発現機構を明確にすることを目的とする。 振動発電デバイスは、U字型フレームにFe-Ga合金単結晶を貼り付けた状態でコイルを巻き付け、永久磁石でバイアス磁場を印加する構造になっている。デバイスの振動によりFe-Ga合金単結晶が圧縮されたり引張られたりすると、逆磁歪効果により磁区構造が変化し、それに伴いコイルを貫く磁束が変化するため、電磁誘導により誘導起電力が得られる。昨年度までは、主にKerr効果顕微鏡を用いてFe-Ga合金単結晶の磁区観察を行ってきた。独自に開発した磁場・応力印加冶具を用いて一様な磁場および一軸応力が磁区構造に及ぼす影響を明らかにし、優れた発電特性の発現機構に関わる磁区構造の変化を突き止めることに成功した。 さらに理解を深めるには、デバイスに搭載した状態のFe-Ga合金単結晶が受ける複雑な応力が磁区構造に及ぼす影響を観察する必要がある。そこで、本年度は、Faraday効果磁場センサーを用いてデバイスに搭載した状態のFe-Ga合金単結晶の磁区観察を行った。観察のために、デバイスからコイルと永久磁石は取り外した。U字型フレームの開口部を押し縮めて観察した結果、デバイスの自由端側では微細で複雑な磁区構造であるが、支点側では引張り応力方向とほぼ平行の直線的な180°磁壁で構成された縞状磁区が観測された。 つまり、応力が支点側に集中するため不均一であるがKerr効果顕微鏡での観察結果と対応する磁区構造の変化がデバイスに搭載した状態で確認された。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)