2017 Fiscal Year Annual Research Report
Magnetic properties of ferromagnetic lanthanoid elements under high pressures
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17H03379
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
美藤 正樹 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (60315108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 和磨 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60525236)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 希土類強磁性 / 高圧力実験 / 精密磁気測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請課題では, 希土類強磁性体の超高圧物性を探求する。希土類金属磁性は, 一般的に, 伝導電子によって媒介されたf 軌道局在スピン間相互作用が重要な役割を果たすと言われるが, 超高圧下では, 磁気測定の測定限界のため, 未解明問題が多く残っている。超高圧物性探索技術は, 現在では単なる基礎研究を超えて, 高圧合成・加工のニーズの高まりもあり, 物質開発の重要な基盤技術となりつつある。本研究では, 申請者が開発を進めている世界最高レベルの「高圧力下磁気測定技術」を用いて, 希土類単一元素強磁性体の磁気転移温度を追跡する精密磁気測定を行う。電気抵抗測定の先行研究の真偽を確かめつつ, 希土類単一元素強磁性体の高圧力下での磁性を実験的に究明する。また、相対論的第一原理電子構造計算による低エネルギー物理の定量的解析も進める。 具体的な実績は以下の通りである。 [1]ベンチマークとしてHo, Dyに対して, 「超小型ダイヤモンドアンビルセル(DAC)と市販の超伝導量子干渉素子(SQUID)磁束計を用いた高圧力磁気測定」を用いて30 GPaまでの圧力領域で交流磁化を測定し, 強磁性転移温度および反強磁性転移温度の高精度調査を行った。 [2]市販のSQUID磁束計に挿入可能な超小型DACを50GPa発生仕様に改造した。 [3]「DACと(開発継続中の)コイル振動型SQUID磁束計」を用いて, 30 GPa超の圧力領域で直流磁化を高精度に測定することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
市販のSQUID磁束計に挿入可能な新型超小型DACの開発・納品が、数か月遅れ、当初の研究計画を達成することができなかった。しかし、コイル振動型SQUID磁束計の開発を予想以上に推進することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
市販のSQUID磁束計に挿入可能な新型超小型DACを用いた研究手法と、コイル振動型SQUID磁束計を用いた研究手法の両輪で、本研究を推進していく。また、磁気測定の実験結果を相対論的第一原理電子構造計算と比較する段階へステップアップする。
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Research Products
(6 results)