2017 Fiscal Year Annual Research Report
肝硬変治療の為の多機能性有機-無機ハイブリッドナノ粒子の開発
Project/Area Number |
17H03403
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
林 幸壱朗 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80580886)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 有機-無機ハイブリッド / ナノ粒子 / スマートマテリアル / ナノ医療 / ドラッグデリバリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子を用いた肝線維症治療に関する研究である。平成29年度は、肝線維症治療を可能にする多様な機能を有する有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子の作製およびこの有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子の表面修飾による特的の細胞に対するターゲティング能の付与に取り組んだ。 中空構造を有する有機-無機ハイブリッドナノ粒子をone-potで合成する方法を確立した。この有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子の粒径は約145 nmであり、その骨格の厚さは約35 nmであった。また、この骨格はジスルフィドとシロキサンから成ることを、FTIRおよびラマンスペクトルから明らかにした。有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子の表面には6.6 mol/gのチオールが存在していた。TG-DTAから、この有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子の無機相は42%、有機相は58%であることが分かった。 さらに、上記有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子に抗線維化作用を示すシリビニンを封入する方法も確立した。有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子へのシリビニンの封入効率は100%であり、350 mMのシリビニンを封入することができた。 肝臓のクッパー細胞および肝星細胞をターゲティングするために、有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子の表面に存在するチオールを活用し、レチノールを修飾した。有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子表面にチオールを残しておく必要があるため、全てのチオールを使用せず、3.1 mol/gのチオールを残し、3.5 mol/gのレチノールをナノ粒子表面に修飾した。 有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子は活性酸素、特に肝臓の線維化を引き起こす主原因であるヒドロキシラジカルを捕捉することを確認した。さらに、有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子はグルタチオンに応答して分解し、シリビニンを放出することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度に行うことを計画していた内容を全て達成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで滞りなく研究を遂行することができているため、平成30年度以降も申請書に記載した計画に従い研究を遂行する。
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[Journal Article] Effective impairment of myeloma cells and their progenitors by hyperthermia2018
Author(s)
H. Miki, S. Nakamura, A. Oda, H. Tenshin, J. Teramachi, M. Hiasa, A. Bat-Erdene, Y. Maeda, M. Oura, M. Takahashi, M. Iwasa, T. Harada, S. Fujii, K. Kurahashi, S. Yoshida, K. Kagawa, I. Endo, K. Aihara, M. Ikuo, K. Itoh, K. Hayashi, M. Nakamura, M. Abe
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 9
Pages: 10307-10316
DOI
Peer Reviewed
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