2018 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17H03405
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大森 俊洋 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60451530)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マルテンサイト変態 / 界面 / 形状記憶合金 / 制振合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
マルテンサイト相界面の易動度は変態ヒステリシスに反映される。Fe-Mn-Al-Ni合金では、低Niでは非熱弾性型で界面易動度は低く、マルテンサイト変態が非可逆的であった。一方、高Niでは熱弾性型で界面易動度は高いと考えられ、変態は可逆的であった。熱磁化測定で決定した変態ヒステリシスは約150Kであり、他の熱弾性型合金よりも大きい。ここで、変態エントロピー変化をClausius-Clapeyronの関係を用いて求めるため、外場として、一軸応力や磁場を用いて、極低温から室温までの変態誘起エネルギーを測定した。これにより求めた変態エントロピー変化と温度ヒステリシスから算出される変態駆動力は、Cu-Al-Mnにおける熱弾性型変態の駆動力と同程度であった。温度ヒステリシスが大きいのは、変態エントロピー変化が小さいためである。そのため、Fe-Mn-Al-Niの界面易動度は比較的高いと考えられる。粘弾性測定装置により減衰能を評価したところ、Cu-Al-Mn合金よりも低いものの、高温領域まで減衰能を示すことが明らかになった。周波数依存性や歪振幅依存性などの基礎的性質の調査を行った。また、Cu-Al-Mn合金において、サイクル熱処理誘起異常粒成長現象を利用し、単結晶材の作製手法を開発した。大型の単結晶が熱処理のみで簡便に作製できるようになった。単結晶材でのマルテンサイト変態挙動を調査したところ、多結晶材に比較して変態ヒステリシスも小さく、高い易動度を有していることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画していた実験とそれに基づく考察を行うことができた。高温域における制振特性が比較的良好であることがわかり、新たな展開が考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度の疲労試験に向けて疲労試験機(インストロン)の導入を行った。装置の不良によりデータの収集ができないため、早期に対処し、試験が実施できるようにする。
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