2018 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of mechanism of peculiar high strength and ductility of metastable beta-type titanium alloy with high oxygen content for structural biomaterials
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17H03419
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
新家 光雄 名城大学, 理工学部, 特任教授 (50126942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤堀 俊和 名城大学, 理工学部, 准教授 (00324492)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ベータ型チタン合金 / 生体構造 / 高酸素 / 特異力学特性 / 高強度・高延性 / 変形挙動 / 歪速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度に得られた結果を次に示す。 (1)TNTZ(Ti-29Nb-13Ta-4,6Zr))-(0.1, O.3, 0.7)mass%酸素合金につき、歪速度8.3x10の-4乗/sおよび2.1x10の-2乗にて引張り試験を行ったところ、両歪速度ともに酸素の増大とともに引張強さおよび0.2%耐力が上昇し、伸びが0.1mass%酸素から0.3mass%酸素に至ると低下し、さらに酸素が0.7mass%に増大すると増加する特異な傾向となった。この傾向には、本研究範囲での歪速度を増大させても変化を認めなかった。(2)歪速度を増大させることにより、0.1mass酸素では引張強さおよび0.2%耐力に変化は無いが、伸びが低下した。しかし、0.3および0.7mass%酸素では、歪速度の増大により、引張強さ、0.2%耐力および伸びが増大した。したがって、この伸びの歪速度増大による変化は、0.1mass%酸素と0.3mass酸素および0.7mass酸素との間で異なる傾向となった。すなわち、0.3および0,7mass%酸素にて、歪速度の増大による伸びの増大が生じる特異な現象が見られた。(3)0.3および0.7mass%酸素では、歪速度の増大により、ディンプルサイズが増大する傾向となった。(4)が0.3mass酸素にて伸びが最も低下したにもかかわらず、断面減少率は最も大きくなった。(5)さらに、0.7mass%酸素で認められた降伏現象が歪速度の増大により、より顕著になった。この現象は、酸素による転位の固着現象では説明がつかない現象であり、さらに歪速度を大幅に変化させた引張り試験を行う必要があると判断された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
試験片加工に失敗し、インゴットの製造をさらに行う必要があったこととインゴット製造に予想以上の時間を要した。本研究での力学的特性の特異現象の発現には、酸素の含有量の許容範囲が極めて狭く、目的とする酸素量の制御を達成することが出来るインゴット製造に繰り返しが必要であったこともインゴット製造に時間を要したことの大きな要因であった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.インゴット製造プロセスを改善し、目的とする酸素含有量の試験片をより迅速に作成できるようにし、歪速度および温度を変化させた場合の引張り試験につき前年度で不足した場合につき継続する。 2.各歪速度および温度を変化させて引張り試験を行ったTNTZ-(0.1、0.3、0.7)mass%酸素合金の原子構造変化を高分解能電子顕微鏡にて解析する。 3.各歪速度および温度を変化させて引張り試験を行ったTNTZ-(0.1、0.3、0.7)mass%酸素合金の原子構造変化を考察するためX線吸収微細構造解析を行う。 4.上記の各結果を基に高濃度O含有TNTZにおける酸素の原子構造への影響を解析する。 5.以上の結果をまとめ、高O添加によるTNTZの高強度・高延性化のメカニズムの他合金への展開を考察し、まとめるとともに国内学会および国際会議にて発表し、論文にまとめ著名学術専門誌への投稿を準備する。
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