2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of innovative metal nanoparticle catalyst based on the interfacial cooperative effect
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17H03457
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
満留 敬人 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (00437360)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 触媒 / グリーンケミストリ― / 金属ナノ粒子 |
Outline of Annual Research Achievements |
環境汚染や資源の枯渇など環境・エネルギー問題が深刻化する今、化学産業では環境に負荷をかけず望みのものを生み出す「高性能触媒」の開発が強く求められている。本年度の研究では、金属ナノ粒子と無機酸化物を複合化するとその界面で新規な触媒機能が発現することに着目し、独自の手法で開発した複合ナノ粒子触媒が、有害物質を排出せずに省エネかつ安全に様々な物質を目標物質へと選択的に変換できることを見出した。 特に、白金ナノ粒子とバナジウム酸化物を複合化した粒子径2ナノメートルの超微粒子触媒を開発し、温和な条件で難還元性の化合物「アミド」の還元に世界で初めて成功した。また、様々なアミドから高選択的にアミンを合成することができることを明らかにした。さらに、反応後の触媒は反応液からろ過により容易に回収でき、繰り返し使用できる。種々の実験結果から、バナジウム酸化物がアミドを活性化し、隣接する白金が活性化されたアミドを高効率に水素化することを明らかにした。 本反応では無害な水のみが副生し、アミドを還元して得られるアミンは汎用性が高く、医薬品・農薬・染料・ポリマー等様々な用途に使われる。従来、アミドの還元反応には爆発性のある還元剤を用い、反応後に金属廃棄物が大量に排出する問題があった。また、水素ガスによる還元反応では、高温・高圧が必要であり、理想とされる温和な条件 (水素圧:30気圧以下、反応温度:70度以下) でアミドを還元する触媒はこれまで開発されていなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本申請課題であった、夢の反応“温和な条件下におけるアミドの還元反応”を促進する触媒の開発に世界で初めて達成し、論文としてまとめた。また、新聞にも掲載された。さらにここから得た知見を基により高活性な触媒の設計指針を得ることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
本申請課題であった、夢の反応“温和な条件下におけるアミドの還元反応”を促進する触媒の開発に世界で初めて達成し、さらに得られた知見を基により高活性な触媒の設計指針を得ることができた。今後は、その設計指針に基づき触媒の合成・反応評価を試みる。
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Research Products
(31 results)