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2017 Fiscal Year Annual Research Report

Long-Range Flow Visualization with High-Spatial Resolution by Background-Oriented Schlieren Method Combined with Adaptive Optics

Research Project

Project/Area Number 17H03483
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

水書 稔治  東海大学, 工学部, 教授 (80433910)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 三浦 則明  北見工業大学, 工学部, 教授 (30209720)
太田 匡則  千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60436342)
大谷 清伸  東北大学, 流体科学研究所, 特任准教授 (80536748)
Project Period (FY) 2017-04-01 – 2020-03-31
Keywords屈折率構造定数 / 大気じょう乱 / 補償光学 / 背景型シュリーレン法
Outline of Annual Research Achievements

研究初年度として,1)地上近傍の大気の屈折率構造係数(以下,屈折率構造係数)の計測,および計測された屈折率構造定数に基づく,2)大気じょう乱模擬装置の製作,を実施した.具体的な研究実績を以下に示す.
まず,屈折率構造定数の計測では,レーザ光のシンチレーション計測装置を独自で設計・製作した.有効口径125 mmのカセグレン型望遠鏡に,ヘリウム-ネオンレーザ光(波長633nm,出力0.9 mW)をシングルモードファイバで接眼部から導入し,「出射装置」を製作した.レーザ光は直径125 mmの平行光となり,距離約550 mに設置した再帰反射板(入射した光を入射方向に正確に反射させる)で反射させる.反射レーザ光を,出射装置と隣接させた「受光装置」で受信し,大気中を伝播したことで発生する光強度の時間変化を計測した.受光装置は,出射装置と同一のカセグレン型望遠鏡の接眼部に,レーザ光波長のみを透過するバンドパスフィルタと共にCMOSカメラを接続した.光強度変化を1/100秒単位で記録し,その強度変化からシンチレーションを評価した.この計測に基づき,地上近傍の大気じょう乱を評価する屈折率構造定数を取得した.気象条件による特性を把握するために計測は定期的に継続している,
次に,得られた屈折率構造定数に基づき,実験室内で大気じょう乱を模擬するため「大気位相盤」を設計・製作した,これは,本研究の主目的である補波面補償が可能な背景型シュリーレン法可視化光学系の調整と性能評価を室内実験で可能とするためである,大気位相盤は,屈折率の異なる透明樹脂層で構成される厚み1 cm 程度の光学部品であり,樹脂層の構成を調整することで必要とする大気じょう乱と同様のゆらぎを作り出すことが可能となる.製作した大気位相盤を用いて,得られるゆらぎが野外実験で得られた屈折率構造定数と同等であることを確認した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

遅れの原因は,計画当初に導入を検討していた重要な構成装置のひとつが,予算執行可能時直前に生産中止となり,代替品の検討と評価に時間を要したためである.
本研究の主眼である,波面補償を取り入れた背景型シュリーレン法(以下,BOS法)可視化光学系の実現には,波面の歪みを評価するためのセンサである「波面センサ」が不可欠となる.波面センサは,マイクロレンズ・アレイと呼ばれる直径が数十マイクロメートルのレンズが幾何学的にひとつの平面上に成形された光学製品を,CMOSカメラ受光素子の直前に設置し,複数の焦点をCOMO受光面上に作り出すことで,入射した波面が大気のじょう乱で受けた歪みの程度を評価する.そのため,マイクレンズ・アレイの光学的特性とCMOSカメラの素子の構成の組み合わせが,想定される波面の歪みに対応可能であるか否かが重要となる.当初導入を決定していた波面センサは,当該研究で想定される波面歪みの計測が可能と評価していたが,生産中止となり入手不可となった.そのため,代替品の候補の中から同等と評価できるものを選定するために,資料の収集,評価に数ヶ月要した.波面センサ入手の遅れは,波面補償を導入したBOS法光学系の製作の遅れにつながり,ひいては大気位相盤の製作の遅れとなり,計画全体を「やや遅れている」と評価せざるを得なくなった.

Strategy for Future Research Activity

次年度では,計画当初,初年度後半から開始する予定であった 1)「波面補償BOS光学系」の確立とそれを用いた2)「室内実験」に注力する.
波面補償BOS光学系の確立では,波面補償をBOS光学系で実現するために,波面センサと可変形鏡を組み合わせたBOS光学系を確立させ,画像計測が可能な光学系とする.これは,入射光波の歪みの検知とそれを補正するための光学系,さらにそれらを制御する制御系をBOS光学系に組み込んだ光学系を製作する.さらに,望遠光学系に発展させる.この光学系を可搬型とするため,概ね50 cm四方の大きさにまとめ,野外での実験に対応させるための検討を進める.この光学系の実現には,既に同種の光学系の設計・製作に経験のある研究分担者を中心として製作を進める.
室内実験では,まず,波面補償BOS光学系で従来のBOS計測から着手し,従来のBOS計測と同等の性能が達成されているか確認する.この検証では,定常現象を測定対象とする.次に,大気位相盤を利用して波面歪みを人為的に与え,補償光学系を機能させることで,波面歪みを与える以前の計測結果と比較し,波面補償効果を評価する.

  • Research Products

    (1 results)

All 2017

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] AOによる航空機周囲の熱流体現象の高精度可視化計測に向けた取組2017

    • Author(s)
      榎並京次郎,水書稔治
    • Organizer
      第11回補償光学研究開発のための情報交換会

URL: 

Published: 2019-12-27  

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