2018 Fiscal Year Annual Research Report
Long-Range Flow Visualization with High-Spatial Resolution by Background-Oriented Schlieren Method Combined with Adaptive Optics
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17H03483
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
水書 稔治 東海大学, 工学部, 教授 (80433910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 則明 北見工業大学, 工学部, 教授 (30209720)
太田 匡則 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60436342)
大谷 清伸 東北大学, 流体科学研究所, 特任准教授 (80536748)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 補償光学 / 背景型シュリーレン法 / 大気じょう乱 / 定量的可視化計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年度目では,1)「波面補償型背景型シュリーレン法(BOS法)可視化光学系の確立」,および2)「接地層近傍での屈折率構造定数の時間スペクトル計測」を実施し,本研究課題の主眼である超解像望遠可視化計測の原理実証に向けた成果を着実に得た. 波面補償BOS法可視化光学系の確立では,従来のBOS法光学系に次の光学装置の組み込み,当該研究の目的に則した最適配置をした.具体的には,波面の歪みを検知する波面センサ,歪みが与えられた波面と逆位相の形状に鏡面を変形させることで補正する可変形鏡,波面センサと可変形鏡を連接させるための制御系,画像記録素子,および光学部品(レンズ,平面鏡)である.さらに,この光学系による画層取得に成功した.これまでの波面補償が施された光学系は,天文用途がほぼすべてであり,計測対象は点もしくは微小な円盤状の像であるため,本研究課題のような一般的な画像ではない.このことは大きな成果である.波面補償BOS法可視化光学系は,可搬型の補償光学型BOS法可視化計測装置のベースとなる光学系であるばかりでなく,望遠光学系の付加による超解像望遠可視化計測,ラボ実験を通じた高速熱流体現象の可視化に利用する計画であり,本研究課題における中心的な基盤装置ととなる, 設置層近傍での屈折率構造定数の時間スペクトル計測では,秒間100コマによるレーザ光シンチレーション計測結果から,大気じょう乱の高周波成分の特性を把握した.本研究課題では,高速非定常熱流体現象の高精度な望遠可視化計測の新たな手法を実証することであり,大気ゆらぎの高周波成分特性の把握が不可欠である.これまで同様な計測が,赤外線天文分野で行われたが,それらはすべて1/10秒程度の周波数成分の把握で十分であった.そのため,今回得られた成果は,天文分野の観点から見ても新しいものとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度で発生した不可抗力的な計画の遅延が原因で,計画全体が「やや遅れている」と評価せざる終えない.具体的には,2年度目では,初年度に設計・製作した補償光学型BOS法可視化光学系で,室内における熱隆太現象を計測し,大気位相盤と組み合わせた実験において,補償光学装置の効大気じょう乱補正効果を確認し,可視化計測精度への効果を評価する予定であったが,光学系の完成と熱流体現象のラボ実験でのデータ取得は初期的なものまでとなり,体系的なデータ取得には至っていない点が,当該評価とした理由である.
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Strategy for Future Research Activity |
計画の遅れのみで,原理的な困難さ,あるいは実現の困難さに直面していると捉えていない.研究3年度目では,ラボ実験を速やかに実施し,波面補償効果の有効性を示す.ラボ実験で得られた結果に基づき,波面補償型BOS法光学系を可搬型に改良した際の効果を予測し,野外における波面補償効果が計測精度に与える効果を予測する.さらに,野外での可視化実験を実施し,得られた結果から,野外実験においても当該研究課題が提案する新しい可視化計測法が実現可能性を定量的に示す.
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Research Products
(8 results)