2018 Fiscal Year Annual Research Report
浮漁礁型海洋エネルギープラットフォームとそれに適合した発電デバイスの研究開発
Project/Area Number |
17H03494
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
陸田 秀実 広島大学, 工学研究科, 准教授 (80273126)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 海洋エネルギー / 浮漁礁 / エネルギーハーベスティング / 圧電素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
課題1:FFBに適合した潮流発電タービンブレードの設計・製作:FFB直径と各種センサーの駆動・消費電力を考慮して,約100kWクラスの小型発電タービンブレードを設計した.基本設計には翼素運動量理論に基づく理論計算を行い,トルク,パワー係数,発電量を推定するとともに,ブレード形状の最適化を行った.さらに,CFDによりブレードに作用する流体力および周辺流場の把握を行うとともに,FEM解析によりブレード強度・変位量を見積もり,適切な材料選定を行った.これらの結果に基づいて,FFBに適合した模型試験用のブレード製作を行った.
課題2:FFBに適合したスプレー型圧電デバイスFPEDの設計・製作:スプレー型圧電デバイスFPEDの設計には,はりの振動理論と圧電方程式に基づくモード分離型解法を用い,デバイスの発電量と変位を求める.はりの変位をモード形とモード振幅の積で表すと,モード分離したはりの運動方程式が得られ,Transfer Matrix法を適用すれば,固有振動数と振動モード,モードシェイプが求まる.さらに,開発した海洋環境CFDシミュレータと組み合わせ,流体・構造・起電力の相互作用を考慮した設計支援ツールを構築した.本コードは汎用的であるため,船舶海洋工学分野の他研究でも利用可能である.
課題3:発電デバイスの発電性能試験:課題1および2で最適設計・製作された発電デバイス(小型潮流発電タービンおよびスプレー型圧電デバイス)について,曳航水槽・回流水槽・波浪水槽を用いて発電性能試験を実施した.特に,流速・波高・波周期,それらが組み合された条件下(操業~サバイバル)において,平均発電量およびその変動特性を把握した.次いで,浮漁礁に発電デバイスを装着した場合の模型試験も実施した.その際,波・流れ作用下におけるFFBの係留力特性と6DOF運動特性に基づいて,試験条件を設定し,実海域試験に向けた技術的知見を獲得した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の課題について,ほぼスケジュール通り,進めているため.水槽試験において,データが取得できない実験条件があったため,次年度実施予定とする.
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Strategy for Future Research Activity |
課題1:発電デバイスの発電性能試験:前年度の課題で最適設計・製作された発電デバイス(スプレー型圧電デバイス)について,曳航水槽・回流水槽・波浪水槽を用いて発電性能試験を実施する.特に,流速・波高・波周期,それらが組み合された条件下(操業~サバイバル)において,平均発電量およびその変動特性を把握する.次いで,浮漁礁に発電デバイスを装着した場合の模型試験も実施する.その際,前年度の課題で明らかとなった波・流れ作用下におけるFFBの係留力特性と6DOF運動特性に基づいて,試験条件を設定し,実海域試験に向けた技術的知見を獲得する.
課題2:実海域フィールド設置および発電性能試験:課題1で使用した発電デバイスを改良(必要に応じて,再製作)し,実海域に設置するとともに,短期間の発電性能試験を実施する.実証海域は,これまで協力関係にある沖縄県国頭村漁業協同組合の管理域とし,H27年度,既に設置済の浮漁礁を有効活用する.ここでは,発電デバイスの発電量,蓄電量,変形特性,耐候性,耐久性,付着生物などについて調べる.また,実用化を見据えて,小型蓄電体,ワイヤレス機器,計測センサー,GPS等と柔軟発電デバイスを接続し,自立電源ユニットとしての機能性と有用性を検証する.
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