2018 Fiscal Year Annual Research Report
Hydraulic transfer characteristics of 3D crack network in rocks by utilizing visualization of fluid transfer process
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17H03506
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
蒋 宇静 長崎大学, 工学研究科, 教授 (50253498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 晃 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (40305008)
杉本 知史 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (60404240)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 単一き裂 / き裂ネットワークモデル / 透水試験 / き裂の空間分布特性 / 水理物質移行特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
き裂性岩盤の水理物質移行特性を解明するために、まず、き裂ネットワークにおける交差部をつなげる各き裂の開口幅や交差部の形状の影響を詳細に考察できる可視化技術を活用して、き裂ネットワーク内の水理・物質移動挙動を把握するとともに、これまで構築してきた単一き裂の連成特性モデルおよびき裂表面ラフネスと透水係数の関係式を、三次元き裂ネットワークモデルに取入れて、き裂の間隙構造と空間分布特性を考慮したき裂性岩盤のマルチスケール水理物質移行特性評価モデルの高度化を目指している。 供試体内の三次元き裂ネットワークの作成は、砂岩と花崗岩の円柱体と角柱体による三軸圧縮試験を行い、それぞれのピーク圧縮強度に対して一定比率の載荷レベルを設定して、様々な分布密度と貫通度のき裂ネットワークを発生させる手法をとっている。染色したトレーサー液をき裂内部に注入した透水試験により、き裂の空間分布特性とその水理物質移動特性との相関関係を評価するための基礎データを蓄積することができた。 き裂ネットワークモデルの構築と水理物質移行機構の解明に関しては、岩盤内き裂の分布については、DFN法によるモデル化を行い、DFNにおけるき裂の長さを変化させてスケール効果を明らかにした上で、岩盤を代表するのに必要となる要素体の大きさREVの評価基準を示した。さらに、これまでの研究で構築してきた単一き裂の連成特性モデルおよびき裂表面ラフネスと透水係数との関係式をき裂ネットワークモデルに取り入れて、き裂の空間分布特性も反映したき裂性岩盤のマルチスケール水理物質移行特性評価モデルを設計し、各き裂内の非線形的流れをナビエ・ストークス方程式を解くことにより正しく表現し、既往研究では殆ど考察されていなかった間隙構造内とき裂間の交差部で発生する流線の屈曲や渦の形成など、平行平板モデルが表現できない現象を詳細に調べることに成功している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
可視化透水試験手法の確立とき裂ネットワークモデルの構築ができたので、計画された岩盤内き裂ネットワークにおける水理物質移行機構の解明を可能にしており、専門分野における英文誌への論文投稿など、研究全体が順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度では、研究代表者が既に提案した表面ラフネスと透水係数との関係式およびフラクタル次元によるき裂の空間分布特性の評価手法を一体化し、それを三次元き裂ネットワークモデルに導入して、マルチスケール水理物質移行特性評価モデルの高度化を実現させるとともに、詳細なデータが公表されている原位置岩盤透水・トレーサー試験に本提案手法を適用し、その適用性を確認し、より一層の改善を徹底する。
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