2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the 14-MeV neutron two-dimensional detector for triton burn-up study
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17H03513
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
西谷 健夫 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 特任教授 (30354608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有川 安信 大阪大学, レーザー科学研究所, 講師 (90624255)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 14MeV中性子 / 反跳陽子 / 発光軌跡 / キャピラリープレート / 液体シンチレータ / 電子増幅CCDカメラ / トリトン燃焼 / 大型ヘリカル装置 |
Outline of Annual Research Achievements |
大型ヘリカル装置(LHD)で14MeV中性子を測定し、LHDの重水素実験における高速トリトンの閉じ込め研究を行うことを目的として、14MeV中性子の計測においてバックグランドとなる2.5 MeV中性子とγ線をその発光軌跡で弁別する新たな14MeV中性子検出器の開発を実施している。10μmピッチのキャピラリープレートに液体シンチレータを充填して検出器ヘッドとし、中性子による発光軌跡を電子増幅CCDカメラで撮影する検出器を開発した。大阪大学核融合中性子源施設OKTAVIANに開発した検出器を持ち込み、2.5 MeVおよび14MeV中性子に対する応答特性の測定を行った結果、14MeV中性子による発光軌跡は、2.5 MeVによる発光軌跡より約30倍長いことを確認した。またフォトンファクトリーにおいてガンマ線・硬X線に対する応答を測定し、発光軌跡が複雑な曲線になることを明らかにした。さらに開発した検出器を2019年11月にLHDに取り付け、重水素プラズマ実験において、トリトン燃焼過程で発生する14MeV中性子の測定を試みた。その結果、14MeV中性子と思われる発光軌跡を確認した。しかし、電子増幅CCDカメラ自体のガンマ線等によるノイズが大きく、精度の高い測定には、電子増幅CCDカメラのガンマ線・中性子の遮蔽の強化が必要なことが判明した。遮蔽の強化については2019年度に実施する予定である。 これまでの成果については、第34回国際トカマク物理活動(ITPA)計測トピカルグループ会合(2018年4月23日~4月26日,米国・サンディエゴ)で発表を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キャピラリープレートを用いた14MeV中性子検出器の製作が完了し、大阪大学核融合中性子源施設OKTAVIANに開発した検出器を持ち込み、2.5 MeVおよび14MeV中性子に対する応答特性の測定を行った結果、14MeV中性子による発光軌跡は、2.5 MeVによる発光軌跡より約30倍長いことを確認した。またフォトンファクトリーにおいてガンマ線・硬X線に対する応答を測定し、発光軌跡が複雑な曲線になることを明らかにした。さらに開発した検出器を2019年11月にLHDに取り付け、重水素プラズマ実験において、トリトン燃焼過程で発生する14MeV中性子の測定を試みた。その結果、14MeV中性子と思われる発光軌跡を確認した。以上概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度(最終年度)は、2018年度に判明した、電子増幅CCDカメラのガンマ線・中性子の遮蔽の強化を施すとともに、実際に大型ヘリカル装置(LHD)で14MeV中性子の測定を継続する。特に既存の14MeV中性子測定器との相互比較等・直線性確認等を行い、開発した検出器が重水素プラズマ実験における14MeV中性子測定手法として有効であることを示す。 成果については、欧州プラズマ計測会議(2019年5月6日~5月10日,ポルトガル・リスボン)で発表するとともに論文をJournal of Instrumentation誌に投稿予定である。またプラズマ・核融合学会等の国内学会での発表も予定している。さらに本研究全体の成果を報告書としてまとめる。
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