2020 Fiscal Year Annual Research Report
回転コヒーレンスと質量分析を組み合わせたアイソトポマー存在比計測法の開発
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17H03525
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
赤木 浩 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 光量子科学研究部, 上席研究員(定常) (70354818)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | アイソトポマー分析 / 回転コヒーレンス / 非共鳴多光子イオン化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本代表者らが考案し、実証した回転コヒーレンス同位体分離を応用することで、イオン化による回転コヒーレンス測定を利用したアイソトポマー(同位体分子種)存在比計測を実現する。その原理実証、およびその有用性を明らかにすることが、本研究の目的である。 同じ質量数のアイソトポマーや、同位体の分子内位置だけが異なる同位体位置異性体を有する分子に対しては、既存の計測手法では計測精度・感度に限界がある。本研究では、最先端のレーザー分子制御手法を適用することで、高い検出感度および質量識別能力を有する質量分析法と、同質量数のアイソトポマーや同位体位置異性体の識別能力を有する分子分光分析法の、双方の利点を兼ね備えたアイソトポマー存在比計測手法を確立し、その性能を定量的に評価する。 前年度までに計測系の構築・最適化を完了し、N2Oガスを対象にイオン化による回転コヒーレンス計測を開始した。fsレーザーパルスの各パラメータ(パルスエネルギー、ビーム径、パルス幅)や光学系の最適化、ガス導入パラメータの条件最適化を進めた。N2O分子の回転コヒーレンスに由来するイオン収量の変動を再現良く観測できるようになった。一方、時間依存シュレーディンガー方程式に基づく分子回転波束計算でイオン収量の変動を算出し、さらにフーリエ変換することで回転ラマンスペクトルを算出できること、そのスペクトルはイオン化の角度依存性にほとんど影響されないことが確認できた。イオン化の角度依存性はレーザー強度によって大きく変化する可能性があるが、フーリエ変換の結果得られるラマンスペクトルはレーザー強度による影響をほぼ受けないことが確かめられた。
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Research Progress Status |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度が最終年度であるため、記入しない。
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