2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of causative genes in a rat model of atopic dermatitis
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17H03569
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
庫本 高志 東京農業大学, 農学部, 教授 (20311409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 武人 岩手大学, 理工学部, 准教授 (30332878)
須山 幹太 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70452365)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | アトピー性皮膚炎 / 疾患モデル / ラット / QTL解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アトピー性皮膚炎を自然発症するKFRS4/Kyoを対象に、順遺伝学的手法を用いて、皮膚炎原因遺伝子を同定することである。 平成29年度に、KFRS4とPVGラットから308頭のF2交雑子を作出し、その皮膚炎発症を経時的に観察した。また、KFRS4とPVG間のゲノム多型を網羅的に探索し、交雑子の遺伝解析に利用できる一塩基多型マーカーの候補を約10000個得た。さらに、8週齢のKFRS4ラットとPVGラットの皮膚からRNAを精製し、RNA-seq法を行った。 平成30年度は、308頭のF2交雑子の皮膚炎発症の経時的変化をスコア化し、表現型を決定した。また、88個の遺伝マーカーを用いて遺伝子型を決定した。次いで、QTL解析を行い、皮膚炎の発症週齢、最高スコアを規定する遺伝子座を17番染色体遠位部に同定した。 また、80頭のN2交雑子を作出し、その皮膚炎発症を経時的に観察した。さらに、88個の遺伝マーカーを用いて遺伝子型を決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度の遺伝子座の同定を行うことができたが、候補遺伝子の選択までは及ばなかった。これは、当該年度に研究代表者の京都大学から東京農業大学への異動があり、ラボの移動と立ち上げ、飼育施設の整備等に時間を要したためである。このような状況のもとで、新たにN2交雑子の作出と皮膚炎発症の経時的変化を記録した。F2交雑子のデータにN2交雑子のデータを加えることでより詳細に責任遺伝子座をマップできる。そのため、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
N2交雑子の皮膚炎発症の経時的変化をスコア化し表現型を決定する。88個のマーカーとQTL解析を行い、皮膚炎発症に係る遺伝子座を同定する。F2とN2から得られたQTL座位を統合する。さらに、F2とN2交雑子を対象にSNPマーカーのタイピングを行い、QT解析を行う。これによりアトピー性皮膚炎発症に係る遺伝子座を狭める。平成29年度に行ったRNA-seqの結果を加味し、候補遺伝子を抽出し、塩基配列を決定する。
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