2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a humoral immunity evaluation system based on the pregnant immunity system
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17H03571
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
亀谷 美恵 東海大学, 医学部, 准教授 (50338787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真鍋 良幸 大阪大学, 理学研究科, 助教 (00632093)
徳田 裕 東海大学, 医学部, 客員教授 (20163975)
伊藤 亮治 公益財団法人実験動物中央研究所, 実験動物研究部, 室長代理 (60425436)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ヒト化マウス / 妊娠免疫 / ワクチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒト末梢血単核球(PBMC)移植した重度免疫不全マウスであるNOGマウスにpregnancy zone protein(PZP)を妊娠時に免疫系を調節するホルモンであるプロゲステロン(PG)と投与あるいは遺伝子導入し、ヒト体液性免疫系再構築を可能とするマウスの作製を目的としている。今年度は、PZP遺伝子導入したNOGマウスをマイクロインジェクションにより作成した。また、PGをPBMC移植NOGマウスに連続投与したP4ヒト化マウスの系を確立した。PZPの過剰発現マウスでは、妊娠の成立が大変難しいことが明らかとなり、PZPが妊娠に重要な役割を果たすことが推察された。一方、PG投与NOGマウスでは、各リンパ組織中の免疫担当細胞の割合に、対照群と有意な差は検出されなかった。しかし、血漿中のIgG抗体濃度は非投与マウス群よりIgG量が増加していることが示された。一方、NOG-hIL-4-TgにPBMCを移植した後、申請者が開発中の乳癌ワクチンであるCH401MAPを免疫し,さらに、免疫賦活化のためにPD-1抗体(オプジーボ)を投与した。その結果、PD-1抗体投与によりB細胞の減少とCD8T細胞の割合の増加の傾向が観察された。現在はPZPマウスの系統を確立するとともに、double-Tgマウスを作成準備中である。さらに、PG投与ヒト化マウス、乳癌患者環境再構築マウスの条件が確立したため、この方法を元に、担癌マウスでこれら妊娠関連分子の免疫学的効果を評価する、テーラーメードなワクチンの評価系が確立できたと考えられる。事実、移植されたPBMCの反応性は個体により異なっていた。これにより、本研究目的の達成が、現実的に可能となったと考えられる。特許に抵触する可能性もあり、学会発表は最小限となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2018年度は、PZP遺伝子導入したNOGマウスを作成し、F1まで作成することができた。一方、PZPの過剰発現マウスでは、1腹のマウスで10匹中1匹しかPZP遺伝子を持つ子マウスがいないなど、妊娠の成立が予想以上に大変難しいことが明らかとなり、PZPが妊娠に重要な役割を果たすことが推察された。 一方、PGをPBMC移植NOGマウスに連続投与したP4ヒト化マウスの系を確立した。PG投与NOGマウスでは、各リンパ組織中の免疫担当細胞の割合に、対照群と有意な差は検出されなかった。しかし、血漿中のIgG抗体濃度およびアイソタイプをLC-MSで解析したところ、むしろPG投与群では非投与マウス群よりIgG量が増加していることが示された。これらの抗体は、IgG1, IgG3およびκ・λ軽鎖を含む一方、IgG2, IgG4は観察されなかった。そこで、NOG-hIL-4-TgにPBMCを移植した後、申請者が開発中の乳癌ワクチンであるCH401MAPを免疫し,さらに、免疫賦活化のためにPD-1抗体(オプジーボ)を投与した。その結果、PD-1抗体投与によりB細胞の減少と抗体産生の低下、CD8T細胞の割合の増加の傾向が観察された。現在はPZPマウスの系統を確立するとともに、double-Tgマウスを作成準備中である。さらに、PG投与ヒト化マウス、乳癌患者環境再構築マウスの条件が確立したため、この方法を元に、担癌マウスでこれら妊娠関連分子の免疫学的効果を評価し、テーラーメードなワクチンの評価系として確立する基盤ができたと考えられ、ほぼ今年度の予定を達成している
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は3年目のプロジェクトとして予定通り、以下の5点についての研究を推進する。 ①NOG-PZPマウスとNOG-hIL-4-Tgマウスを交配した、double-transgenicマウスを作成する。マウスが確立したならば、これらに健常者PBMCを移植する。確立するまでは、従来のNOG-hIL-4-Tgマウスを使用する。生着したヒト免疫細胞をフローサイトメトリーで解析し、PZP導入によりGVHDがより回避されたか否かを明らかにする。②HER2ワクチンの改良を行う。具体的には、すでに抗体―プロゲステロンコンジュゲートの作成には成功しているため、これらのコンジュゲートの形態について改良を引き続き行う。③PD-1抗体のヒト化マウスにおける作用機序を明らかにする。申請者らは、in vitroでのヒト細胞培養とヒト化マウスについて、すでにある程度の結果は得ているが、さらに詳細を明らかにするために、各リンパ球サブセットのRNA発現をRNA-Seqあるいはrealtime-PCRにより解析する。また、特異抗体産生能についてはELISAにて解析する。④NOG-PZPマウスとNOG-hIL-4-Tgマウスのdouble-transgenicマウスについて、抗体産生の亢進が観察されるか否かをCH401MAPを用いた免疫とELISAにて評価する。⑤NOG-PZPマウスとNOG-hIL-4-Tgマウスのdouble-transgenicマウスでヒト化担癌マウスを作成し、これらにワクチン投与をすることにより抗腫瘍効果を低下させることなく抗体産生の亢進あるいはGVHDの減弱が観察されたならば、これらにさらにPD-1抗体およびそのプロゲステロンコンジュゲートを投与し、抗腫瘍効果および抗体産生の亢進が生じるか否かを評価する。
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[Journal Article] A humanized mouse model to study asthmatic airway inflammation via the human IL-33/IL-13 axis.2018
Author(s)
Ito R, Maruoka S, Soda K, Katano I, Kawai K, Yagoto M, Hanazawa A, Takahashi T, Ogura T, Goto M, Takahashi R, Toyoshima S, Okayama Y, Izuhara K, Gon Y, Hashimoto S, Ito M, Nunomura S.
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Journal Title
JCI Insight.
Volume: 3
Pages: pil:121580
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Comprehensive Analysis of the Activation and Proliferation Kinetics and Effector Functions of Human Lymphocytes, and Antigen Presentation Capacity of Antigen-Presenting Cells in Xenogeneic Graft-Versus-Host Disease.2018
Author(s)
Kawasaki Y, Sato K, Hayakawa H, Takayama N, Nakano H, Ito R, Mashima K, Oh I, Minakata D, Yamasaki R, Morita K, Ashizawa M, Yamamoto C, Hatano K, Fujiwara SI, Ohmine K, Muroi K, Kanda Y.
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Journal Title
Biol Blood Marrow Transplant
Volume: 24
Pages: 1563-1574
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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