2018 Fiscal Year Annual Research Report
HOX関連白血病における15-PGDHによる白血病幹細胞制御機構の解明
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17H03579
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
岩崎 正幸 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70790913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大里 元美 熊本大学, 国際先端医学研究機構, 特別招聘教授 (90314286)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 白血病幹細胞 / 15-PGDH / MEIS1 / HOX / MLL |
Outline of Annual Research Achievements |
MLL白血病を含むHOX関連白血病において、MEIS1は自己複製、分化抑制、細胞周期を調節して白血病幹細胞の維持に重要な役割を果たしている。我々はMEIS1によって誘導されると共に白血病幹細胞特異的に高発現している遺伝子として15-PGDHを同定した。15-PGDHはプロスタグランジン分解酵素として知られているが、白血病における報告はなく、その役割は不明である。15-Pgdhを強制発現させるとHoxA9白血病マウスの発症期間は短縮し、白血病幹細胞の頻度も著しく増加することから、白血病幹細胞の自己複製の維持に重要な役割をしていると考えられる。興味深いことに、15-PGDHの白血病発症に関わる機能は既知の酵素活性によるものではないこと、15-PGDHはMEIS1の白血病発症における一部機能を代替することも見出している。本研究は、15-PGDHによる白血病幹細胞の制御機構の解明を通じて、白血病幹細胞を標的とした新規治療法の開発への研究基盤を確立することが目的である。本年度は、Meis1欠損マウス由来の胎児肝細胞を用いたMLL-AF9による形質転換アッセイを用いて、(1)Meis1の標的遺伝子として知られているFlt3とc-Mybが白血病発症においてMeis1の機能を代替しないこと、(2)白血病幹細胞の維持に重要なWnt/beta-catenin経路は、Meis1/15-Pgdhによる白血病幹細胞の誘導機構において関与していないことを明らかにした。現在、15-Pgdhによる白血病幹細胞の未分化性維持および自己複製能に必須な経路やその制御に関与する遺伝子を同定するために、15-PgdhノックダウンさせたMLL白血病細胞を用いてRNA-seqによる網羅的遺伝子発現プロファイリング解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、マウスやヒト患者検体を用いた多くの実験結果から、15-PGDHはMLL白血病を含むHOX関連白血病において、自己複製、分化抑制、細胞周期を調節して白血病幹細胞の維持に重要な役割を果たしていることを証明することができた。また、15-PGDHによる白血病幹細胞の制御機構は、Wnt/beta-catenin経路とは別の機構によるものであることが明らかとなり、未知のメカニズムを解明するため、現在、次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子発現プロファイリング解析の準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子発現プロファイリング解析を進め、15-PGDHによる白血病幹細胞の維持/制御に必須な経路やその制御に関与する遺伝子を同定したい。また、同定した分子経路に関与する因子の阻害剤が入手可能な場合、MLL-AF9白血病細胞に阻害剤を加えることにより、細胞増殖に変化が認められるかを検証する。さらに阻害剤投与による白血病マウスのin vivo効果の評価を行い、新しい標的治療法へ応用できるよう発展させたい。
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Research Products
(2 results)