2019 Fiscal Year Annual Research Report
乳癌・卵巣癌治療の分子基盤としてのグアニン4重鎖解除機構の解析
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17H03585
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
太田 智彦 聖マリアンナ医科大学, 医学研究科, 教授 (60233136)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳癌 / 卵巣癌 / 相同組換修復 / グアニン4重鎖 / G4安定化剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAヘリカーゼであるBLMとWRNを介してグアニン四重鎖(G4)解除に必須な働きをするHERC2について、1本鎖DNA結合蛋白質RPAに対する作用と核小体における役割を解析し、以下の結果を得た。 HERC2はC末端のHECTドメインを介してRPAと結合し、RPA2をユビキチン化して分解した。HERC2はRPA2のリン酸化を制御し、複製停止が起こらない低容量のhydroxyureaあるいはaphidicolinによる軽度な複製ストレス下で生じるATRによるRPA2 Ser33のリン酸化はHERC2に依存していた。一方、HERC2のユビキチンリガーゼ(E3)活性が死活したHERC2ΔE3/ΔE3細胞ではRPA2 Ser33のリン酸化が亢進していた。さらに、HERC2によってユビキチン化され、分解されるRPA2はATRによってリン酸化されたRPA2であることが示唆された。この反応の生理的な意義としてG4の解除においてHERC2のE3活性はRPAとエピスタシスな関係にあることがわかった。HERC2およびそのE3活性はBLMおよびWRNの核小体への局在に必須であった。Hydroxyureaによる複製ストレスによってBLMは核小体から消退し、RPA2とともに核内 fociに集積したが、HERC2発現抑制下では、核内BLM foci形成は顕著に低下した。HERC2は核小体fibrillar centerに局在していた。このことからHERC2がBLMとWRNによるG4解除機能を介してPol IによるrRNAの合成に関与していることが考えられた。そこで、HERC2機能不全がpre-rRNA合成に与える影響を解析したところ、HERC2ノックダウンHeLa, HCT116およびHERC2ΔE3/ΔE3細胞のいずれにおいてもCX-5461投与によるpre-rRNA合成抑制効果が有意に増強した。以上より、HERC2はWRN, BLM, RPAの機能を介してG4解除に重要な役割を果たし、その機能低下はリボゾーム生合成に影響を与えると考えられた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)