2017 Fiscal Year Annual Research Report
拡散光イメージングを用いた薬物療法における乳がん微小環境の変化の多面的測定
Project/Area Number |
17H03591
|
Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐伯 俊昭 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (50201512)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪原 晴海 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10187031)
芳澤 暢子 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (10402314)
山根 登茂彦 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20526660)
上田 重人 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20646947)
小倉 廣之 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50402285)
久慈 一英 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (90283142)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 近赤外光イメージング / 乳癌 / 化学療法 / ヘモグロビン / 水 / 脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は近赤外光の波長を750-1000nmまで広げ、新たな組織代謝パラメータ(水、脂肪、散乱強度)を導入することで、腫瘍の微小環境についてより詳細な計測技術を確立した。我々はTRS-6Wを開発しパラメトリック測定を可能としたため、臨床研究を進めている。 研究目標は以下の3点である。 1)浜松医大と埼玉医大の2施設で医師主導共同研究を実施し、TRS装置の性能評価と術前化学療法の早期治療効果モニターリングとを行った(患者登録中)。2)マルチパラメーターとdual energy CT、MRI、FDG-PET,FMISO-PETとのデータを比較検証した。時間分解分校装置(TRS)での至適な光源検出器間距離を検討し学会発表した。またTRSと超音波装置での同時測定の結果から、腫瘍の深さ、サイズによるTRS測定への影響を検討し学会発表、論文化した。TRSは水濃度、脂肪濃度も測定可能な6波長の装置の使用を開始し、超音波装置と併用し約20件のデータを収集した。また反射型拡散光トモグラフィ装置で約30件のデータを収集し、このうち1例は化学療法前後にデータを収集した。6波長のTRS装置の評価のためにも脂肪濃度を評価可能なdual energy CT、MRIでの乳房のデータを収集した。3)マルチパラメーターの分子生物学的意義を腫瘍免疫・血管新生・低酸素関連血液マーカーとの相関を分析した(解析中)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プログラムで研究開発するシステムは、時間分解分光法を基盤とする定量的な組織代謝マッピング装置であり、新規に半導体光検出モジュール等を採用することで高感度化・高性能化を達成し、乳房に接触するだけで簡便に組織代謝状態の測定を可能とする装置のプロトタイプを完成した。これを用いて臨床研究を継続している。
|
Strategy for Future Research Activity |
ベッドサイドでも定量的かつ簡便に計測が可能で、より汎用性を主眼に置いた装置の研究開発に取り組み、そのためにすでに医療機器として医療承認を受けている組織代謝ヘモグロビン測定が行えるtNIRS-1やTRS-21-6Wをベースとした研究開発を進める。これにより組織ヘモグロビン以外の水や脂肪等の測定装置としての装置開発工程が短縮でき、市場投入の時期も短縮できる。これを試作機とし、ゴールとしては、組織代謝マッピング計測を、現行の手動のポイントセンシングによるグリッドマッピングからマッピング計測をより簡便に行うことができる光プローブや光ファイバースイッチを有する計測装置の研究開発と臨床研究を目指す。
|