2018 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of the maintenance of functions and structure of chromosome ends
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17H03606
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加納 純子 大阪大学, 蛋白質研究所, 准教授 (10323809)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 染色体 / テロメア / サブテロメア / クロマチン / ヒストン |
Outline of Annual Research Achievements |
真核生物の線状染色体末端のテロメアに隣接して、サブテロメアというドメインが存在する。分裂酵母のサブテロメアは二つの特徴的なクロマチン構造をもち、テロメア側にヘテロクロマチン、それに隣接して高度に凝縮したknob構造がある。これまでの解析により、knob領域の端(サブテロメア末端)には、それ以上染色体内部(ユークロマチン領域)にヘテロクロマチンが侵入しないようにブロックするシステムが存在していることが示唆されている。これはユークロマチン領域の遺伝子の転写を維持するために重要である。興味深いことに、その部位においてヒストンの局在が見られなくなっていたことから、ヒストン8量体から形成されるヌクレオソーム構造が欠落していると考えられた。すなわち、ヘテロクロマチンの伝搬には足場であるヌクレオソームが必要となるが、その足場を欠落させることによって、それ以上の伝搬を防いでいるのではないかと推測している。そこで、このバウンダリー機構を探るため、2種類のマーカー遺伝子をサブテロメア領域のすぐ外側に挿入して、他のマーカー遺伝子をランダムにゲノムに挿入することによって、サブテロメア外側の2種類のマーカー遺伝子の転写が抑制される変異株、すなわちサブテロメアバウンダリー異常変異株のスクリーニングを行った。その結果、ヘテロクロマチン形成に関わることが知られているred1遺伝子の変異株の他、いくつかの変異株が単離された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分裂酵母のサブテロメアバウンダリー異常変異株のスクリー二ングはかなり困難があったが、最終的にはいくつか取得できており、概ね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、サブテロメアバウンダリー異常変異株のred1以外の変異部位を同定するため、次世代シークエンサーによって変異株の全ゲノム配列を読む。そして、各原因遺伝子のサブテロメアバウンダリー制御機構における詳しい役割の解明を行う。
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