2017 Fiscal Year Annual Research Report
Studies on genomic basis for parthenogenesis in nematodes
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17H03609
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
小原 雄治 国立遺伝学研究所, 先端ゲノミクス推進センター, 特任教授 (70135292)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ゲノム進化 / 長距離DNAシーケンス / PacBio / Irys / ハプロタイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
1)D. coronatusゲノムのphasing(相同染色体毎の配列決定)に向け、PacBioロングリードとIrysシステムを用いてハイブリッドアッセンブリを行った(生命情報研究センター豊田敦特任教授の協力を得た)。PacBio Sequelでは断片サイズ30-80Kbのライブラリーを用いて約340万リードを得、Canuでアッセンブルし、Illumina Hiseqのショートリードを用いてpilonで修正し、30本のscaffold(全長170Mb、最長36Mb、N50 14.7Mb)を得た。これにIrysデータ(2種類のnickaseのサイトマップのデータ)のアッセンブル結果を合わせた結果、最長69.1Mb、N50が22.8Mbの非常に大きいScaffoldが得られた。それぞれを互いに相同の順番とすると、一方は3つのScaffold(長さは2~69Mb)、他方は9本のScaffold(1.5~22.7Mb)でカバーされた。 2)Diploscapterに最も近いと思われるProtorhabditisの2種について、共同研究者のドイツ・ケルン大学のSchierenberg教授から供与を受け、培養を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PacBioのロングリードとIrysによる長距離scaffold構築が予想通りでき、数本のscaffoldでカバーされるまでにアッセンブルを進めることができた。一方、染色体地図が無い状態なので、phasing及びscaffoldの順番については別の確認が必要であり、そのために技術的に克服すべき点が多く残っている。
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Strategy for Future Research Activity |
それぞれのScaffoldの順番は、互いに相同染色体であるという前提で上記のように推定ができるが、単為生殖の特殊性を考えると、染色体構造を確定する必要ある。そのためには以下を進めることが必要となる。(1)染色体FISHによるScaffoldの順番決定、(2)フォスミドを用いたScaffoldの隣接関係検討、(3)Genomic Southern法によるcontig/scaffoldの隣接関係の妥当性の確認、(4)原理の異なるNonoporeシーケンシングによるScaffoldの関係情報の獲得。以上の技術を活用することにより、Scaffoldの順番を決定し、D.coronatusゲノムのphasingを行う。この結果を受け、染色体上の遺伝子の並び方をC.elegans(染色体6本)と比較し、染色体融合の可能性などゲノム構造の進化の検討が望まれる。 また、Diploscapterに最も近いと思われるProtorhabditisの2種についてもゲノム解読を行い、上記ゲノム構造進化の検討を進めることが望まれる。
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