2017 Fiscal Year Annual Research Report
MHC機能改変による自己免疫疾患の発症制御とその機序の解明
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17H03612
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
宮寺 浩子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (40361464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡村 匡史 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 実験動物管理室長 (00333790)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 自己免疫疾患 / MHC / 1型糖尿病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は1型糖尿病の発症・抑制の機序を明らかにすることである。ヒトの1型糖尿病の発症のしやすさはヒト白血球抗原(Human Leukocyte Antigen;HLA)(マウスでは主要組織適合性抗原(Major Histocompatibility Complex, MHC))遺伝子多型と強く関連することが知られており、患者の約9割がDR3-DQA1*05- DQB1*02, DR4-DQA1*03-DQB1*03:02(欧米人), DR9-DQA1*03 -DQB1*03:03, DR4-DQA1*03-DQB1*04 (日本人)などの特定のHLA-DR-DQハプロタイプのいずれかを持つと報告されている。しかし、これらのHLAが1型糖尿病を引き起こすメカニズムは明らかにされていない。そこで本研究では1型糖尿病の動物モデルとして知られるNon-Obese Diabetogenic (NOD)マウスのMHC遺伝子を部分的に改変した変異導入NODマウスを樹立し、病態発症の機序を明らかにする。NODマウスは1型糖尿病を高頻度に自然発症する系統として知られ、NODマウスでの膵島炎発症はMHCクラスII (I-Ag7)と強い関連があることから、NODマウスではヒトの1型糖尿病と類似した機序によって1型糖尿病を発症すると考えられており、モデル動物として適当である。これまでに、NODマウスのMHC遺伝子に変異導入した株を3種類以上樹立した。平成29年度はこれらの変異導入株雌雄各群(約20匹)について糖尿病発症率測定、オフターゲット領域のDNA配列解析、および免疫系の解析を行った。また、新たな変異導入株を作成しライン化を進めている。これまでに得られた成果について現在、論文投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特段の問題なく研究を進行できており、一定の成果を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに解析を進めている変異導入マウスに加え、新たな変異導入株でのライン化と糖尿病発症率の測定を進め、本研究期間内に変異導入マウスにおける基礎的なデータを取得する。株間で表現型の違いが見られる場合は、十分な個体数を用いて追試を行い、機能解析、免疫解析を展開する上での基盤とする。
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