2019 Fiscal Year Annual Research Report
早期誘導遺伝子の転写スイッチを担うタンパク質複合体の立体構造解析
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17H03614
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神吉 康晴 東京大学, アイソトープ総合センター, 助教 (00534869)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 血管新生 / 疾患エピジェネティクス / ヒストン修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、固形腫瘍、糖尿病性網膜症などの血管新生が病態を悪化させる疾患に対して、その分子機構を解き明かすことで、新たな創薬の標的分子を見いだすことを目的としている。申請者らのこれまでの研究で、成人の血管新生ではVEGF (Vascular Endothelial Cell Growth Factor)が重要であることが示されており、更にその下流シグナルで重要な因子としてPTIPを同定している(国際特許取得)。 近年、遺伝子の発現制御機構にはエピジェネティクスが深く関わることが知られているため、VEGF刺激下での各種ヒストン修飾を調べた結果、H2AK119Ub修飾、及びその修飾を担う複合体であるPolycomb complex1(PRC1)が重要であることを見出した。PRC1は現在までに6つのサブタイプが存在することが分かっている。その複合体の構成要素の中でも特にPCGF3(PRC1.3) が病的血管新生に重要であることも本研究で見出した。 最後に、PCGF3の血管新生に対する評価をin vitro, in vivoでそれぞれ行った。in vitroで血管新生を評価するtube formation assayを行ったところ、PCGF3をsiRNAにてノックダウンした血管内皮細胞では、顕著に新規血管新生が抑制された。また、このPCGF3を血管内皮細胞特異的にノックアウトしたマウスを作成し、網膜の血管新生を評価したところ、野生型のマウスに比べて血管新生は顕著に抑制されていることが示された。本研究により、VEGF刺激下で重要な役割を果たすエピゲノム因子PTIP、PCGF3を同定した。つまり、将来の抗血管新生薬の新規標的として極めて有用な因子を見出しており、今後の応用研究が期待される。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(12 results)