2017 Fiscal Year Annual Research Report
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17H03615
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
荒木 良子 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 放射線障害治療研究部, チームリーダー(定常) (40392211)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | リプログラミング / 点突然変異 / 活性酸素 / iPS細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)ゲノム初期化依存的point mutationの解析 ゲノム初期化依存的point mutationを観察するためには、初期化以前(体細胞がin vivoあるいはin vitroで分裂中)に既に存在したpoint mutationと見分ける必要がある。そこで我々は、variant allele frequency (VAF)に注目し、iPS細胞の全ゲノムシーケンシング解析を行った。VAF50%のmutation(mutation/wild)は、全ての細胞の片方のアリルに存在することを意味するが、発生時期が初期化以前か後か見分けられない。そのため、半数の細胞の片アリルに存在するmutation、すなわち、VAF25%及びそれ以下のmutationの存在を検証し、更に、その数と質を明らかにすることに取り組んだ。全ゲノムシーケンシングで得られた変異の一部に関し、PCR産物のdeep sequencingによりVAF を決定した。その結果、多くの25%以下のmutationの存在が明らかになった。更には、樹立したマウスiPS細胞コロニーから単一細胞由来の複数のサブラインを樹立し、サブライン同士の共通のmutationを同定することにより、細胞系譜と変異蓄積の履歴を明らかにした。 (2)point mutation生成メカニズム 我々はiPS細胞に見られる変異が活性酸素等で生じるユニークなものである事を見出している。そこで、point mutationの原因と予測されるROSおよび8-oxoguanineの検出を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りの実験を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、iPS細胞変異の原因の解明を行う。更に、これまで、全てマウスiPS細胞樹立実験系の解析を行ってきたが、新たにヒトiPS細胞樹立実験系を導入し、変異の解析を実施する。
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Research Products
(3 results)