2019 Fiscal Year Annual Research Report
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17H03653
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 一啓 名古屋大学, 細胞生理学研究センター, 准教授 (60596188)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 胃 / P型ATPase / 膜タンパク質 / X線結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、HKATPaseの輸送化学量論を明らかにするために、輸送イオンが閉塞さらた状態における構造解析を行った。複数の条件で得られた結晶構造から、HKATPaseは対向輸送するK+を1つだけ結合することを明らかにした。輸送に起電性が無いことから、同様に1つだけH+を輸送するとこが考えられる。この化学量論は、限られたATPの加水分解から得られる自由エネルギーを用いて、胃の内部にpH 1 = 100万倍のH+濃度勾配を形成することと矛盾しない。この分子の発見以来40年以上も決着がついていなかった輸送化学量論に決着をつることができた。 上記の結果は、機能解析や計算機シミュレーションの結果と併せて論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究目的に掲げる、HKATPaseの複数の構造解析から、その生理機能に重要な情報を得るという方向性においては、当初の想定以上の成果を挙げている。 未発表ながらCryo-EMによる構造解析も進めており、こちらも想定以上の成果を上げつつある。 HK alpha2の構造解析に関しては、三次元結晶は得られているものの、分解能が制限されており、コンストラクトや発現系の改良が急務である。
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Strategy for Future Research Activity |
世界市場規模が2兆円とも言われる胃酸抑制剤は、多くの方々のQOLの維持に重要である。しかしんがら、胃癌の原因となるピロリ菌の除菌に際しても使用されることや、胃酸抑制剤が膵臓がん由来細胞に対して有効であるという報告もあり、更なる改良や新規薬剤開発に資する構造情報は有用であると考えられる。複数の胃酸抑制剤の結合構造の解析と、そこから得られる薬剤結合に必要な構造ファクターを抽出することで、より良い薬剤開発へと繋がる研究を展開していく。 CryoEMによる構造解析を推進し、これまで得られていない中間体の構造を得ることで、HKATPaseや他の能動輸送体の作動機構の理解を進める。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Isoform-selective regulation of mammalian cryptochromes2020
Author(s)
Simon Miller, You Lee Son, Yoshiki Aikawa, Eri Makino, Yoshiko Nagai, Ashutosh Srivastava, Tsuyoshi Oshima, Akiko Sugiyama, Aya Hara, Kazuhiro Abe, Kunio Hirata, Shinya Oishi, Shinya Hagihara, Ayato Sato, Florence Tama, Kenichiro Itami, Steve A. Kay, Megumi Hatori & Tsuyoshi Hirota
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Journal Title
Nat. Chem. Biol.
Volume: in press
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Purified F-ATP synthase forms a Ca2+-dependent high-conductance channel matching the mitochondrial permeability transition pore2019
Author(s)
A. Urbani, V. Giorgio, A. Carrer, C. Franchin, G. Arrigoni, C. Jiko, K. Abe, S. Maeda, K. Shinzawa-Itoh, J. F. M. Bogers, D. G. G. McMillan, C. Gerle, I. Szabo, P. Bernardi
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Journal Title
Nat. Commun.
Volume: 10
Pages: 4341
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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