2019 Fiscal Year Annual Research Report
プレエンプティヴ品質管理を介した不良蛋白質のサーベイランスとその意義
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17H03657
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
川原 裕之 首都大学東京, 理学研究科, 教授 (70291151)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | preemptive pathway / BAG6 / Ubiquitin / Proteasome / Membrane protein / Protein degradation |
Outline of Annual Research Achievements |
膜タンパク質の新合成には厳密な品質管理が必須である。最近、このような膜タンパク質新合成の場に、新しい品質管理機構の存在が明確となってきた。膜タンパク質の殆どはシグナル配列依存的に小胞体へと輸送されるが、意外なことに、このプロセスの成功効率は必ずしも高くない。すなわち、最大で40%にものぼる小胞体への移行エラーが生じうるのである。特に、ストレス条件下ではシグナル配列の認識不良、およびトランスロコンからの拒絶などが誘起され、シグナル配列をN末端に持ったまま(正常な小胞体内プロセシングを受けないまま)の不良膜タンパク質が細胞質に蓄積する。凝集性の高い不良膜タンパク質の蓄積を防ぐため、全く新しい「細胞質性」膜タンパク質品質管理機構の存在が予見され、「プレエンプティヴ(pre-emptive : 予防的)」なタンパク質品質管理と名付けられた(Hegde ら, 2006)。しかし、古くから知られる「小胞体内」膜タンパク質品質管理(ERAD など)とは対照的に、その分子的実体は最近まで明らかではなかった。
リボソームで新合成された膜タンパク質は、その少なからぬ割合が不良品として生じてくる。凝集性の高い不良膜タンパク質の蓄積を防ぐため、これらの生合成プロセスは、プレエンプティブ品質管理と呼ばれる新しい品質管理系により監視されている。このシステムの中核として機能するBAG6は、構造不良ポリペプチドが細胞質に露出する疎水性領域を認識し、これらをユビキチン依存的タンパク質分解系に導いている。本研究で我々は、従来はきわめて安定と考えられてきた低分子量Gタンパク質Rab8aが、GDP型特異的に疎水性領域を露出し、プレエンプティブ経路を介して急速分解されることを見いだした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Cytoplasmic control of Rab-family small GTPases through BAG6.2019
Author(s)
Takahashi, T., Minami, S., Tajima, K., Tsuchiya, Y., Sakai, N., Suga, K., Hisanaga, S., Obayashi, N., Fukuda, M., and Kawahara, H.
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Journal Title
EMBO Rep.
Volume: 20
Pages: e46794
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] A molecular triage process mediated by RING finger protein 126 and BCL2-associated athanogene 6 regulates degradation of G0/G1 switch gene 2.2019
Author(s)
Kamikubo, K., Kato, H., Kioka, H., Yamazaki, S., Tsukamoto, O., Nishida, Y., Asano, Y., Imamura, H., Kawahara, H., Shintani, Y., and Takashima, S.
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: 294
Pages: 14562-14573
DOI
Peer Reviewed
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[Book] 生化学2020
Author(s)
1.川原 裕之、南 雪也、宮内 真帆、高橋 俊樹
Total Pages
6
Publisher
日本生化学会
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