2017 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア輸送を担うモーター分子『数』の光制御とゆらぎ検出
Project/Area Number |
17H03659
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 久美子 東北大学, 工学研究科, 助教 (00585979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 貴志 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 研究員 (80749903)
角田 聡 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (00598857)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 光操作 / 分子モーター / 非平衡統計力学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアは細胞内でのエネルギー産生工場(アデノシン三リン酸の合成)と言われ、最も重要な細胞小器官の1つである。ここでアデノシン三リン酸は細胞内のタンパク質のエネルギー源である。真核細胞内で分子モーターキネシンやダイニンに輸送されミトコンドリアが細胞の隅々に行き渡る。疾患等でミトコンドリアの輸送障害が報告されており、その輸送メカニズムの解明は重要である。
私たちのこれまでの研究で、非平衡統計力学に基づく非侵襲な力測定から輸送中のミトコンドリアに働く力が推定されてきた。核を除く小器官で最大サイズのミトコンドリアは他の小胞(エンドソームなど)と比較して、多くの分子モーターに協同で輸送されることが分かってきた。本研究では光操作によってミトコンドリアを輸送するキネシンを人工的に脱着させ、私たちの提案する非平衡統計力学に基づく非侵襲な力測定の検証を行うことが目的である。また光操作によってミトコンドリア輸送のメカニズム解明を目指している。初年度である平成29年度は分子モーターとミトコンドリアを付ける光スイッチタンパク質のプラスミドを細胞に導入し、光スイッチタンパク質を発現させることに成功した。なお、光スイッチタンパク質のプラスミドは分担者の協力で作製した。また、分担者の協力により光操作のための顕微鏡装置を作製できた。先行研究で報告されているような、光照射に誘起されるミトコンドリア輸送を観察することが平成30年度の研究目的である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光スイッチタンパク質の導入により、光照射に誘起されるミトコンドリア輸送が観察できると期待していたが、この現象を観察するまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、光照射に誘起されるミトコンドリア輸送を観察することが目標である。プラスミドのデザインを変更したり、先行研究を行なっている研究者に問い合わせるなどして、これを実現したい。
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Research Products
(6 results)