2018 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア輸送を担うモーター分子『数』の光制御とゆらぎ検出
Project/Area Number |
17H03659
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 久美子 東北大学, 工学研究科, 准教授 (00585979)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 聡 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 客員准教授 (00598857)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 光物性 / 分子モーター |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアは細胞内のエネルギー供給を担う重要な小器官であり、微小管に沿ってタンパク質分子モーター(キネシンとダイニン)に輸送される。本研究では先行研究(BergeijkらNature 2015)で提案されたミトコンドリア輸送の光操作システムと類似したシステムの構築を目指し、ミトコンドリアを運ぶ分子モーターの数を光スイッチタンパク質で制御することで輸送を制御したいと考えている。そのシステムを用いて、先行研究[HayashiらPCCP 2018; HayashiらMBoC 2018; HasegawaらSci Rep 2019]で提案された分子モーター数計測法の妥当性を検証することを目的としている。
平成30年度の計画では引き続きミトコンドリア輸送を光操作で制御することを目指した。具体的にはミトコンドリアを輸送する分子モーターの数を光スイッチタンパク質で増加させることを目指した。光スイッチタンパク質はミトコンドリアの膜と分子モーターを結合させるものである。分担者の協力で顕微鏡システムは完成し、光スイッチタンパク質の神経細胞内での発現を確認したものの、光照射による分子モーター増加に伴うミトコンドリアの速度上昇は観察できなかった。そのため、平成30年度は、研究計画の「当初計画通りに進まない時の対応」で提案していたように、薬剤を用いて分子モーターの数を操作した。薬剤を用いて分子モーターの数を現象した結果、分子モーター数計測法でも分子モーター数の現象を検出することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光スイッチタンパク質を導入したものの、予想していた現象が確認できなかった。そのため急遽研究計画の「当初計画通りに進まない時の対応」で提案していた薬剤による輸送の操作に変更したため。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画では別のタイプの光スイッチタンパク質を提案しており、2019年度は新しい光スイッチタンパク質の導入を目指す。また、薬剤による輸送の操作が成功しているため、光による輸送の操作と平行して、別の薬剤も試したいため実験を継続する。
|