2018 Fiscal Year Annual Research Report
Epigenetic modification of sperm and its trans-generational changes.
Project/Area Number |
17H03680
|
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
幸田 尚 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60211893)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 発生・分化 / エピジェネティクス / 精子 / ヒドロキシメチルシトシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ほ乳類における精子ゲノムのシトシン修飾の変化が次世代の個体に伝わる可能性を検証することを目的としている。特にメチルシトシンのみならずヒドロキシメチルシトシンも含めて網羅的に解析することで、個体レベルでの経世代的なエピゲノム修飾についての新しい知見を得ることを目指す。このため、マウスを用いて父親の生理的な条件による精子のエピゲノム修飾の変化や、精子形成過程でのシトシン修飾の変化を我々が新たに開発したメチルシトシン、ヒドロキシメチルシトシンを同時に1分子ずつで解析する画期的な手法であるEnIGMA法をゲノムワイド解析が行えるよう改良を加え、これを用いて網羅的に解析することを目的としている。 これまで、EnIGMA法について改良を重ね、ゲノムワイド解析への適応が可能となるEnIGMA-seq法として技術的な目処を立てることに成功した。また、次世代シーケンサーによる解析から得られるデータを用いて全てのCpGについてメチルシトシンとヒドロキシメチルシトシン、非修飾シトシンの同定を行うパイプラインを構築した。そこで、現在実際にマウスの精子において標準的なメチルシトシン、ヒドロキシメチルシトシンの全ゲノムプロファイル取得を試みている。 今後、受精後の初期胚においてヒドロキシメチル化を中心としたゲノムの非対称な修飾とそのダイナミックな変化に伴う遺伝子発現調節を解析することで精子ゲノムのシトシン修飾の変化が次世代に伝達する可能性についての可能性を明らかにできると考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、研究代表者が開発したメチルシトシンとヒドロキシメチルシトシンを同時に同定解析する手法であるEnIGMA法について改良を重ね、ゲノムワイド解析への適応が可能となるEnIGMA-seq法として技術的な目処を立てることに成功した。また、次世代シーケンサーによる解析から得られるデータを用いて全てのCpGについてメチルシトシンとヒドロキシメチルシトシン、非修飾シトシンのいずれであるかをEnIGMA法において同定する解析用のスクリプトを完成させた。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在EnIGMA-seqを用いてマウスの精子ゲノムの標準的なメチルシトシン、ヒドロキシメチルシトシンの全ゲノムプロファイル取得を試みている。ゲノムワイドの解析においてEnIGMA-seqが十分な検出精度を持っているかの検証を行うとともに、必要に応じて解析精度の向上を行う。今後ゲノムワイドの解析の結果、成熟精子においてhmCが集積していると考えられる部分について、雄マウスの栄養条件や週齢など様々な生理的条件を変化させた場合にこれらの部位のシトシン修飾が影響を受けるかを解析を行うことで、精子ゲノムのシトシン修飾の変化が次世代に伝達する可能性について明らかにする。
|
Research Products
(1 results)