2019 Fiscal Year Annual Research Report
レドックスシグナル伝達において活性カルボニル種はどのように特異的作用をもたらすか
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17H03700
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
真野 純一 山口大学, 大学研究推進機構, 教授 (50243100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 芳行 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (70263621)
北島 佐紀人 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 准教授 (70283653)
松井 健二 山口大学, 大学院創成科学研究科, 教授 (90199729)
山内 靖雄 神戸大学, 農学研究科, 准教授 (90283978)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 活性酸素シグナル / 植物 / ホルモン応答 / アクロレイン / グルタチオントランスフェラーゼ / 活性カルボニル種 / 親電子物質 / プログラム細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
1) 膜脂質の分解により生じる親電子物質であるアクロレインなどの活性カルボニル種(RCS)を特異的に消去するグルタチオントランスフェラーゼ(GST)アイソザイムをホウレンソウなどで見出した。とくにアクロレインに対するKm値がμMレベルと低い値を示すRCS消去酵素は,植物では初めてである。またシロイヌナズナでRCSを消去するGSTアイソザイムを十種以上見出した。これらは,従来不明であった植物GSTの内在基質としてRCSが有力な候補であることを示唆する。 2) オーキシンシグナルによるシロイヌナズナの側根形成過程では,活性酸素(ROS)が促進的に作用することが知られていた。我々は,オーキシンによる側根形成がRCS消去剤により阻害されること,RCSがオーキシンシグナルを強め,ホルモン応答遺伝子群を活性化することを見出した。またこのRCSによるオーキシン増強は,オーキシンシグナルレプレッサーであるAUX/IAAタンパク質の分解促進が作用点であることを示した。すなわち,ROSとRCSは,側根形成のオーキシンシグナルを促進する信号系路を形づくることを初めて明らかにした。 3) タバコBY-2培養細胞がROS刺激を受けると,ROSの下流で生成するRCSがカスパーゼを活性化し,プログラム細胞死(PCD)が開始する。ROS刺激後の初期に生成しカスパーゼを活性化するRCSの分子種を特定した。また,これを消去するNADPH依存レダクターゼがROSによって失活することが,PCDの最初期現象であり,RCSレダクターゼがROSセンサーである可能性を初めて示した。 4) アブシシン酸(ABA)による気孔閉鎖シグナル伝達にはRCSが介在する。RCSがCa2+透過性カチオンチャンネルを活性化したことから,RCSの作用部位がその上流であることを明らかにした。 以上の成果は総説2報にもまとめた。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)