2017 Fiscal Year Annual Research Report
マラリア根絶の標的、受精機構を曝く新型インタラクトーム解析
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17H03707
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
森 稔幸 順天堂大学, 医学部, 助教 (00462739)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 誠 順天堂大学, 医学部, 准教授 (50326849)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | GCS1 / 有性生殖 / 受精因子 / 膜タンパク質 / 配偶子 / 細胞間相互作用 / マラリア / 媒介蚊 |
Outline of Annual Research Achievements |
・雄性配偶子受精因子GCS1と相互作用する雌性配偶子因子の探索 マラリア雄性配偶子側受精因子GCS1のメス側パートナー分子を同定するべく、GCS1-BioID2(改変biotin ligase)を雄性配偶子特異的に発現する遺伝子組換ネズミマラリア原虫の作製に成功した。GCS1-BioID2は元々の受精機能は失われていたものの、Biotin化活性を維持しており、期待通り配偶子特異的な発現を示した。同株を用いたin vitro受精アッセイを行い、培養中にビオチン化されるタンパク質を1つ見いだすことに成功した。しかしながら、そのタンパク質分子を質量分析に掛けたところ、受精因子を特徴付けるような知見を得られる分子ではなかった。 ・媒介蚊体内における配偶子挙動観察法の確立 マラリア原虫感染マウスから吸血した蚊において、その体内で原虫の有性生殖を透視観察する実験系の開発を試みた。本計画が成功すれば、既知・未知の受精因子の機能や動態を蚊の体内で詳細に解析できる新規の観察法になることが期待できる。既知の透明化試薬と新規に作製した高感度配偶子蛍光マーカー原虫株を用いて、透明化された蚊の体内における接合子形成を観察することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であるGCS1-BioID2の発現株作製に成功した点は計画の進展として評価できる。雌性配偶子受精因子の同定にはより精度の高い改変が必要と予想されるが、想定された事態であり、次年度の計画としたい。いっぽう、媒介蚊体内における有性生殖の透視観察は期待通りの展開となっており、次年度のさらなる発展の見通しができている。以上から、表記の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
GCS1-BioID2をプローブとしたメス側パートナー分子の探索については、GCS1の本来の発現場所である雄性配偶子のみにとらわれず、様々な細胞での異所発現によってスクリーニングの幅を広げる計画である。 媒介蚊体内における有性生殖の透視観察は、共焦点レーザー走査顕微鏡法を用いることで、解像度が飛躍的に改善した。しかしながら、雄性配偶子側の蛍光シグナル感度の低さから未だ受精の瞬間を捉えるには至って居らず、次年度は蛍光標識株の改変を重点とし、観察法の改善を行いたい。また、本成果の発展としてin vitro受精のライブ細胞イメージングの開発につなげることも計画している。
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Research Products
(6 results)