2019 Fiscal Year Annual Research Report
Does infections of endosymbiont facilitate chromosomal differentiation and reproductive isolation?: Empirical test in a brachypterous grasshopper species
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17H03722
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
立田 晴記 琉球大学, 農学部, 教授 (50370268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅野 良一 北海道大学, 農学研究院, 農学研究院研究員 (00648826)
陰山 大輔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (60401212)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 種分化 / 共生微生物 / 染色体 / 生殖隔離 / 系統進化 / 体色 / 浸透 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス蔓延により活動自粛を余儀なくされ、計画していた野外調査を一部キャンセルせざるを得ないなど,研究に多大な支障が生じた.これまでに取得した,次世代シーケンサーによるSNPデータを再解析した.サンプリングポイントとの関連付けもしながら集団構造を解析したところ,異なる染色体レースが接触する2地域のうち,1地域において遺伝子の浸透が周辺部から生じていることが明らかになった.染色体型には変異がないものの,ゲノム全体では染色体型が異なる集団からの遺伝子流入の痕跡が明確に認められた.このことはある染色体型に対する強い自然選択がかかっている可能性を示唆しており,該当地域において更なる新しい生息地の発見とサンプリングによる調査が求められる.また室内での交配実験により,F1世代の適応度や受精卵の発生過程に異常が生じないか確かめる必要がある. またミトコンドリアDNA配列に見られる変異のうち,ヘテロプラズミーと考えられるサイト情報を考慮した系統構築を実施した.ヘテロプラズミーを考慮すると,考慮しない場合に比べ,樹形が全く異なる系統樹が描かれた.なぜこのようなヘテロプラズミーが種内で保存されているのか,理由は今のところ不明であるが,ミトコンドリアDNAに基づく系統情報にバイアスがかかる原因となるため,サッポロフキバッタ以外の近縁種や属においても,同様の現象が見られるかどうか確かめていきたい. 黒化型個体が分布する地域でのサンプリングと交配実験についても別途実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ流行にともない,予定していた調査の一部を実施できなかった.しかし遺伝子解析については概ね順調に実施されている.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ蔓延が収まっておらず,調査や研究打ち合わせに支障が出続けてはいるものの,出来る範囲で活動し,研究成果の排出に専念したい.
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