2020 Fiscal Year Annual Research Report
Does infections of endosymbiont facilitate chromosomal differentiation and reproductive isolation?: Empirical test in a brachypterous grasshopper species
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17H03722
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
立田 晴記 九州大学, 理学研究院, 教授 (50370268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
陰山 大輔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 生物機能利用研究部門, 上級研究員 (60401212)
菅野 良一 北海道大学, 農学研究院, 農学研究院研究員 (00648826)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 種分化 / 共生微生物 / 染色体 / 生殖隔離 / 系統進化 / 体色 / 遺伝子浸透 |
Outline of Annual Research Achievements |
サッポロフキバッタは飛行能力がある翅を持たず,移動性が極めて低い.その為,核型,交尾行動,体色などに明瞭な地理的変異が見られる.2020年度は,北海道中央部と東部で遺伝子解析用の個体のサンプリングと生息地域の調査,また長年実施出来ていなかった北海道松前郡の大千軒岳の山頂に隔離分布する特異な染色体構造を持つ集団の探索を実施した.コロナ禍の中で限られた調査となったが,染色体の交雑帯周縁部において新たな生息地を発見した.また大千軒岳においては,個体数が少ないものの,頂上付近でサッポロフキバッタの生息を確認出来,遺伝子解析用に数個体採集することができた.採集した個体については共同研究者がいるポーランドに送付し,染色体の解析を実施中である.また採集した個体の一部はRAD-seq解析に回した.これと並行して,ミトコンドリアDNAの全長解析に取り組み,配列決定に加え,これまで知られていなかった新発見があった.現在成果を投稿論文としてまとめており,近日中に投稿予定である.また特異的な体色変異集団(黒色型集団)の分布調査を実施し,これまで南北に45キロ,東西に30キロ程の範囲で確認されていた黒色型集団が,離散的ではあるものの,南北方面にこれまでの知見の倍以上の110キロの範囲で分布している事が明らかになった.今後は黒色型集団で遺伝的なまとまりを確認出来るか調査し,特異な体色変異が集団に浸透していく過程について考察する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ流行にともなう移動制限で,予定していた調査,実験の一部が実施出来なかったが,遺伝子解析については順調に実施出来た.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き残された分析と調査を実施する.一部成果は2022年度中に投稿予定.
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Research Products
(5 results)