2017 Fiscal Year Annual Research Report
侵略的外来種におけるボトルネック後の遺伝的多様性維持と低温適応機構解明
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17H03728
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
牧野 能士 東北大学, 生命科学研究科, 教授 (20443442)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 侵略的外来種 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界各地で外来種が生態系を破壊する問題が深刻化しているが、他の地域から持ち込まれた生物種の全てが新しい環境に定着できるわけではない。北米原産のアメリカザリガニは、赤道地域から高緯度地域に至るまで世界中の様々な環境に適応し、現在も生息範囲を広げている。近年、高温水性である本種が寒冷地においても定着確認されるようになり、侵略的外来種の中にでも環境適応能力の高さが際立っている。本研究の目的は、少数個体からでも生息分布拡大が可能で、短期間で過酷な寒冷地にも侵入したアメリカザリガニの高い環境適応能力の遺伝的基盤を明らかにすることである。本研究で得られる成果は、アメリカザリガニが持つ高い侵略性の基盤を解明するだけでなく他の外来種にも応用が可能で、外来種全体の侵入メカニズムの理解に繋がる。日本国内の複数地点、および、原産の北米由来のアメリカザリガニ個体のゲノムリシークエンス解析を行った。それぞれの集団から取得した多型情報に基づき、PhyloSNPにより系統解析を行った結果、北米集団と日本集団は明確に分岐しており、日本への移入は1度のみで日本集団が単系統であることが支持された。一方で、日本国内の地理的な距離と遺伝的な距離には相関がいことも明らかになった。これはアメリカザリガニが日本国内に移入後、人為的に全国に拡散したためだと考えられる。また、各集団のSNP頻度情報を用いて寒冷地集団特異的に自然選択の働いている領域の探索を行い、複数の候補領域を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RNAseq解析に向けたF1個体取得ため、札幌と沖縄でサンプリングを行なったアメリカザリガニ個体の交配実験を行った。2個体の雌で産卵を確認したが、いずれも無精卵でありF1個体を取得するに至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度の産卵期である春から夏にかけて交配させる個体数を大幅に増やすことにより交配実験でF1個体を取得し、低温耐性実験および遺伝子発現量解析(RNAseq)を実施する。
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Research Products
(1 results)