2017 Fiscal Year Annual Research Report
Metagenome analyses of coprolite and dental calculus for prehistoric specimens from the Japanese Archipelago
Project/Area Number |
17H03738
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
太田 博樹 北里大学, 医学部, 准教授 (40401228)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 信太郎 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (20143357)
須田 亙 国立研究開発法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 研究員 (20590847)
水野 文月 東邦大学, 医学部, 助教 (50735496)
熊谷 真彦 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度解析センター, 研究員 (80738716)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | メタゲノム解析 / DNAバーコーディング / 糞石 / 歯石 / 縄文人 / 弥生人 / 食性 |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】先史時代の日本列島に住んでいた人々は2~3 千年ほど前に劇的な“食”の変化を経験した。すなわち狩猟 採集が中心であった縄文時代から大規模農耕が始まった弥生時代にかけての食性の変化である。この変化が先史日本列島に与えた生物学的インパクトは大きかったと予想される。本研究では先史時代遺跡で見つかる糞石や歯石のメタゲノム解析をおこない、“食”の対象となっていた動植物の特定を実現する。さらにこれらメタゲノム情報から当時の口腔内および腸内細菌叢を推定し、現代日本列島人のそれらと比較する。こうして得られたデータから先史日本列島の食性を総合的に理解することを本研究の目的とする。 【実施した計画の概要】糞石および歯石の収集をおこなった。糞石の採取は、鳥浜貝塚遺跡の歯石の採取は、福井県立若狭歴史博物館・主任(文化財調査員)鯵本眞友美(研究協力者)の協力のもと継続的に資料の選定作業を進めている。歯石の採取は、長崎大学医歯(薬)学総合研究科・弦本敏行教授(連携研究者)が管理する弥生時代遺跡出土人骨から行った。歯石からのDNA抽出は、琉球大学・澤藤りかい(研究協力者)が行った。糞石からDNA抽出に関しては、技術・方法の確立を目的とし、糞石からのDNA抽出に先立ち、現代人の糞便からDNA抽出をおこなう実験をおこなった。東京大学医学系研究科・梅崎昌裕教授が収集したパプアニューギニア人の糞便試料を分与してもらい、北里大学・若林賢(研究協力者)がDNA抽出をおこなった。このDNAをもちいて、DNAバーコーディング法による糞便中に含まれる植物DNAの科、属、種を同定する実験をおこなった。また、H29年度中に2回、班会議を行った。班会議では、技術的な問題点が話し合われ、また現代パプアニューギニア人で得られたNGSのデータの解析に関する問題点やその解決方法について話し合われた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、資料収集と技術的な開発をおこない、おおむね予定通りに計画は進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は、弥生時代人の歯石DNAをPCRで増幅し、2-step PCRでライブラリー化し、NGSでデータを収集する。縄文時代人の糞石については、DNA抽出を既におこなったものについては、PCR増幅を試みる。
|