2017 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-1による慢性炎症修飾の関連解明を目指したコホート研究
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17H03740
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
前田 隆浩 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (40284674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 俊行 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 教授 (10170515)
草野 洋介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (70325637)
青柳 潔 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (80295071)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 人類学 / 動脈硬化 / HTLV-1 / 生理的多型性 |
Outline of Annual Research Achievements |
HTLV-1の高侵淫地域である五島市において、一般住民健診と連携した住民コホートを構築した。平成29年度の研究活動では、1,724人(男性613人(35.6%)、女性1,111(64.4%))の住民から研究協力同意を得た上で生活習慣等の環境因子情報、基本的身体データ、動脈硬化関連データ(頸動脈内膜中膜複合体厚(CIMT)、心臓足首血管指数(CAVI)、AI値(Augumentation Index)、中心動脈圧)、リウマチ・膠原病関連データ、歯科検診データ等と血液サンプルを取得した。一次解析結果では、平均CIMTが1.1mm以上の住民は14名(0.81%)、プラークが認められた住民は184名(10.67%)、平均CAVI値が9.0以上の住民は357名(31.79%)、平均足関節上腕血圧比(ABI)が0.9未満の住民は14名(1.25%)であった。 今回、2014年から2017年の健診受診者のうち、40歳以上の成人2,184名(男性810名、女性1,374名)を対象としてHTLV-1と動脈硬化との関連を解析した。その結果、CLEIA法、RT-PCR法、WB法で確認したHTLV-1陽性者は401名(18.6%)であった。また、年齢と性別をマッチさせたHTLV-1陰性者401名をコントロールとして多変量線形解析を行った結果、既知の動脈硬化リスク因子(年齢、性別、BMI、収縮期血圧、HbA1c、LDLコレステロール、HDLコレステロール、喫煙)を調整した後もHTLV-1感染と平均CIMTとは有意な正の相関(β=0.07、p=0.028)を認めた。HTLV-1はNFκB、cAMP応答配列結合タンパク(CREB)、CREB活性化転写因子などの活性化を介してサイトカイン産生を促進することが知られており、産生された炎症性サイトカインが慢性炎症(動脈硬化)に関与した可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではHTLV-1による慢性炎症修飾の関連解明を目指したコホート研究であり、コホート全域のHTLV-1感染状況を明らかにするとともに、複数の慢性炎症性疾患(動脈硬化、関節リウマチ、歯周疾患)をターゲットとしてHTLV-1との関連を解明するよう研究計画を立てている。初年度となる平成29年度に1,724人の各種データとサンプルを収集し、データベースへの登録とサンプルの凍結保存が順調に進んだ。また、市内の医療機関の協力を得たことで診療情報を収集することができ、さらに、自治体(長崎県五島市)との覚書締結や厚生労働省へ死亡個票の目的外使用申請を行うことで、研究協力者の追跡調査体制を整え順調にデータを収集することができた。 そして、過去のサンプルを含めてHTLV-1感染状況を確認した結果、成人のHTLV-1陽性率は18.6%と高率であることが確認され、ターゲットの慢性炎症性疾患の一つである動脈硬化とHTLV-1とは有意な正の相関を認めたことから、本研究の大きな目標であったHTLV-1の感染実態と慢性炎症との関連について明らかにすることができ、順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
五島市の一般住民健診と連携した動脈硬化検診、リウマチ・膠原病検診、歯科検診は、地域を変えながら平成30年度以降も継続し、生活習慣等の環境因子情報、基本的身体データ、動脈硬化関連データ(頸動脈内膜中膜複合体厚(CIMT)、心臓足首血管指数(CAVI)、AI値(Augumentation Index)、中心動脈圧)、リウマチ・膠原病関連データ、歯科検診データ等と血液サンプルを取得することで、研究用のデータとサンプルの充実を図る。そして、全例に対して抗HTLV-1抗体、抗CCP抗体、高感度CRP等を測定するとともに、遺伝子要因(遺伝子多型)の解析や炎症性サイトカインの測定についても準備を進める。同様に追跡調査に関しても、医療機関や五島市、厚生労働省とも連携しながら診療情報、異動・死亡情報の収集を進める。 また、動脈硬化と同様にリウマチ・膠原病や歯周疾患とHTLV-1との関連について予備解析を行い、HTLV-1の慢性炎症との関連について多角的に研究を進める予定である。
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Remarks |
長崎大学地域医療学分野のホームページにおいて、倫理審査結果を含めて研究内容を公開している。
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Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Human T-cell Leukemia Virus-1 Infection is Associated with Atherosclerosis as Measured by Carotid Intima-Media Thickness in Japanese Community-Dwelling Older People.2018
Author(s)
Yamanashi H, Koyamatsu J, Nagayoshi M, Shimizu Y, Kawashiri SY, Kondo H, Fukui S, Tamai M, Sato S, Yanagihara K, Kawakami A, Maeda T.
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Journal Title
Clin Infect Dis.
Volume: Epub ahead of print
Pages: 1-4
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Social networks, leisure activities and maximum tongue pressure: cross-sectional associations in the Nagasaki Islands Study.2017
Author(s)
Nagayoshi M, Higashi M, Takamura N, Tamai M, Koyamatsu J, Yamanashi H, Kadota K, Sato S, Kawashiri SY, Koyama Z, Saito T, Maeda T.
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Journal Title
BMJ Open.
Volume: 7
Pages: e014878
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Validity of maximum isometric tongue pressure as a screening test for physical frailty: Cross-sectional study of Japanese community-dwelling older adults.2017
Author(s)
Yamanashi H, Shimizu Y, Higashi M, Koyamatsu J, Sato S, Nagayoshi M, Kadota K, Kawashiri S, Tamai M, Takamura N, Maeda T.
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Journal Title
Geriatr Gerontol Int.
Volume: 18
Pages: 240-249
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Impact of single nucleotide polymorphism on short stature and reduced tongue pressure among community-dwelling elderly Japanese participants: a cross-sectional study.2017
Author(s)
Shimizu Y, Sato S, Noguchi Y, Koyamatsu J, Yamanashi H, Higashi M, Nagayoshi M, Kadota K, Kawashiri SY, Nagata Y, Takamura N, Maeda T.
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Journal Title
Environ Health Prev Med.
Volume: 22
Pages: 1-8
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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