2017 Fiscal Year Annual Research Report
植物発生・器官サイズを制御するシトクロムP450酵素の遺伝生化学的研究
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17H03746
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桧原 健一郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (10595713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大西 利幸 静岡大学, 農学部, 准教授 (60542165)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | シトクロムP450 / CYP78遺伝子 / 植物発生 / 器官サイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
シトクロムP450酵素の一種であるCYP78遺伝子は様々な植物において器官、種子、果実のサイズや発生に影響を及ぼすことが報告されている。植物発生・成長において重要な役割をもつCYP78遺伝子であるが、それらが生産する化合物やその物質から派生するシグナル伝達経路については全くわかっていない。本研究では、イネとシロイヌナズナを用い、遺伝学的、生化学的アプローチからCYP78が生産する化合物ならびにその下流で働く分子を特定し、CYP78を介した植物の成長制御機構について包括的に理解することを目的とする。 今年度は、CYP78の機能の保存性を検証するため、形質転換によるCYP78のSWAP実験を行い、CYP78遺伝子が植物種を超えて機能保存していることが明らかとなった。また、イネCYP78遺伝子の発現量、発現パターンを解析するための予備的な実験成果やイネ、シロイヌナズナにおける単独・多重変異体の作成などを行い、次年度以降に解析を進めていく予定である。 CYP78タンパク質の活性測定系の確立するため、イネPLA1、GE遺伝子などいくつかのCYP78遺伝子を昆虫細胞で発現させるためのコンストラクションの作成などを行った。 CYP78を介したシグナル伝達経路に関わる新規因子の同定を目指し、ge抑圧変異体として単離したher変異体の二重変異体の表現型解析、単独変異体およびpla1変異体との二重変異体の作成などを行い、次年度以降に解析を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大半の実験計画において当初の計画通りに進展している。実験材料の整備などが終了したものについては解析を順次進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
大半の実験計画においては当初の計画通りに進めていく。 CYP78タンパク質の活性測定系の確立を目指した計画では、今年度昆虫細胞においてCYP78タンパク質を安定して発現することを目標としていたが、昆虫細胞の培養状態悪化やコンストラクの不具合などにより、昆虫細胞発現系の確立には至らなかったため、今後継続して安定した酵素活性測定系の確立を目指す。 また、研究代表者の大学異動が決まったため、新しい研究室において実験ならびに植物を生育させる環境整備を行っていく予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Occurrence of brassinosteroids in non-flowering land plants, liverwort, moss, lycophyte and fern.2017
Author(s)
Yokota T, Ohnishi T, Shibata K, Asahina M, Nomura T, Fujita T, Ishizaki K, Kohchi T.
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Journal Title
Phytochemistry
Volume: 136
Pages: 46-55
DOI
Peer Reviewed
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